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一酸化炭素は化石燃料やバイオマスの不完全燃焼及びメタン等炭化水素類の酸化過程が主な放出源であり、大気中のOHラジカル(ラジカルとは非常に反応性が高く不安定な分子のこと)との反応により消失します。 一酸化炭素は地球表面からの赤外放射をほとんど吸収しないため、温室効果ガスではありません。しかし、対流圏オゾンの前駆物質であるとともに、OHラジカルとの反応を通して他の温室効果ガス濃度に影響を与えます。
温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)の解析による2010年の世界の年平均濃度は約93ppb(0.093ppm)でした。氷床コアの分析によれば、南極大陸では過去2000年間、一酸化炭素濃度は50ppb程度で大きな濃度変動がなく、グリーンランドでは19世紀半ばまでは90ppb程度であったものが1950年頃には110ppb程度まで増加したとみられています(ppmは体積比で100万分の一、ppbは10億分の一をあらわします)。

気象庁の観測点での大気中の一酸化炭素濃度の経年変化
南鳥島では観測装置の不具合及び台風の被害により 2004年1月から2006年10月まで月平均濃度を算出していません。
与那国島の2008年1月以降、綾里の2009年1月以降及び南鳥島の2010年1月以降の観測値は、観測装置の更新に伴う新旧装置の間の補正係数を現在調査中のため、白抜きで示します。 |
気象庁の観測地点である綾里、南鳥島及び与那国島における一酸化炭素濃度の経年変化を示します。各地点とも、冬から春に極大、夏に極小となる季節変化を示しています。また、1997〜1998年に濃度の上昇がみられますが、インドネシアやシベリアでの森林火災と関係している可能性があります。2002〜2003年にも1997〜1998年ほど明瞭ではありませんが、濃度の増加傾向がみられます。一酸化炭素の大気中での寿命は2〜3か月であり、放出源との関係により、濃度は空間的、時間的な変動が大きいのが特徴です。

緯度帯ごとに平均した大気中の一酸化炭素濃度の変動
温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)で収集したデータにもとづいて解析した、緯度帯別の一酸化炭素濃度の1992年から2010年までの変化を示します。冬季から春季にかけて濃度が高く、夏季には濃度が低くなる季節変動が明瞭にみられます。また、北半球中高緯度で濃度が高く、南半球では低くなっています。これは、主な放出源が北半球中高緯度にあり、OHラジカルの多い熱帯海洋上に運ばれるにつれて消滅し、濃度が減少するためと考えられます。