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展示室6 後方流跡線解析

月別の後方流跡線

 温室効果ガスの濃度の変化は観測した空気塊の起源に大きく関係している。 そのため、地点・月ごとに空気塊の移動経路を知ることは重要である。以下に、綾里、南鳥島、与那国島の3地点について行った 等温位面での後方流跡線計算の結果を月ごとに示す。なお、気象データは気象庁の客観解析データを使用している。

後方流跡線計算結果(1~3月)
後方流跡線計算結果(4~6月)
後方流跡線計算結果(7~9月)
後方流跡線計算結果(10~12月)

等温位面上の後方流跡線計算結果(2009年1~12月)
トラジェクトリーは7日間遡って計算を行った。綾里は青、南鳥島を赤、与那国島を緑色で示す。

なお、後方流跡線計算の諸元は以下のとおりである。
気象データ:気象庁客観解析データ(6時間間隔)
格子間隔:1.25度×1.25度
計算開始高度:観測所上空1000 m
移流面:等温位面
移流計算間隔:30分

月別の後方流跡線通過図

 さらに、空気塊が通過する領域を地域ごとに区切り、各観測点の6時間ごとの空気塊がどの地域を通過して来たかの 軌跡調査を行った。図7.1.1.20はそのために地図上の地域を分けたものであり、TransComの全球区画を参考に、 日本近辺の空気塊経路を考慮して10地域に分類した。それぞれの地域は、以下のとおりである。

NW:北西アジア域MS:南西太平洋域
NE:北アジア域及び北太平洋域CN:大陸東岸北域
CW:温帯中央アジア域CS:大陸東岸南域
ME:東太平洋域MW:日本近海域
SE:南西アジア域及びインド洋域JP:日本域

空気塊の軌跡調査に使用した地域分類図

空気塊の軌跡調査に使用した地域分類図

 下図は、気象庁の観測点に到達した空気塊が、地域分類図で色分けされたどの区域を通過して到達したかを示したものである。 横軸は観測日時を示し、縦軸は観測日時を起点として遡った時間である。6時間ごとに色分けしており、最上段が168時間前(7日前)、 最下段が0ですなわち観測点への到達を示す。
  この図では、観測点が前線の通過などで異なった空気塊に覆われると、遡った時間軸に沿って色が全面的に変わることとなる。 すなわち、異なった履歴を持った気団に覆われたことを示す。観測値の変動と、この空気塊の変動は一致することが多い。

以下に、綾里(岩手県大船渡市)(上)、南鳥島(東京都小笠原村)(中)、与那国島(沖縄県八重山郡)(下)の空気塊の地域通過図を示す。(2009年1月~12月)


綾里についての空気塊の地域通過図(1~6月) 綾里についての空気塊の地域通過図(7~12月)

綾里の空気塊の地域通過図




南鳥島についての空気塊の地域通過図(1~6月) 南鳥島についての空気塊の地域通過図(7~12月)

南鳥島の空気塊の地域通過図




与那国島についての空気塊の地域通過図(1~6月) 与那国島についての空気塊の地域通過図(7~12月)

与那国島の空気塊の地域通過図


年別の後方流跡線通過図

 綾里、南鳥島、与那国島の3地点における空気塊の通過域の割合の年別値について、 1996年から2005年までの10年間の平均と2009年の状況を下図に示す。
 1996年から2005年までの10年間の平均から、綾里では7、8月前後に太平洋からの移流が見られ、 その他の月は、特に冬季を中心としてシベリア、中国北部から移流して来ることが多いこと、 南鳥島では冬季のみ大陸からの移流がしばしば見られ、その他の月は東海上から移流して来ることが多いこと、 与那国島では夏季には南海上から、冬季は中国大陸から移流して来ることが多く、 秋季には日本近海域から移流して来ることが多いことがわかる。

綾里、南鳥島、与那国島の通過地域の年別割合

綾里、南鳥島、与那国島の通過地域の年別割合
左図は1996年から2005年の10年平均値、右図は2009年の平均値
綾里(上)、南鳥島(中)、与那国島(下)