静止気象衛星と極軌道気象衛星

静止気象衛星は、赤道上空約36,000km の軌道上にあって地球の自転と同じ周回周期を持つため、地球上からは赤道上空に静止して見えます。 静止軌道に位置する衛星の最大の利点は、地球表面の約1/3を視野に収めることができる観測範囲の広さと地球上の同じ領域を常に観測できることです。 静止気象衛星は、低気圧や前線に伴う数千キロのスケールを持つ総観規模の雲域から熱雷など数時間で変化するメソスケールの雲域まで、様々なスケールのじょう乱を常時監視できます。

極軌道気象衛星は、南北の極付近を通り赤道を大きな角度で横切る軌道を持っています。 これは、低高度(NOAA の場合は約850km)を短い周期(NOAAの場合は約100 分)で地球を南北方向に周回する軌道です。 この軌道を持つ衛星は、地球上のある地点からみると、1日2回程度その地点の近傍上空を通ります。 静止気象衛星に比べ低高度を飛行するため、高解像度の画像が得られますが、観測範囲は狭くなります(NOAA の場合、幅約3,000km)。 また極軌道気象衛星は、静止気象衛星による観測が難しい高緯度地方(緯度60度以上の極地方)を高頻度で観測することが可能です。

静止衛星と極軌道衛星
静止気象衛星と極軌気象道衛星