運輸多目的衛星(MTSAT)の運用は終了しました。

姿勢制御運用

人工衛星は一般に無重力の空間で太陽輻射などの外力を受けるため、放置していると回転を始めてしまいます。 「ひまわり」のイメージャ(地球画像を撮像するためのカメラ)の向きが0.1度ずれると、撮影される画像の中心位置は地球表面で約50kmずれてしまいます。 「ひまわり」が毎日地球を観測し続けるためには、イメージャの正面に地球を捉え続けるよう、イメージャの向いている方向(姿勢)を精密に制御する必要があります。

「ひまわり」は地球センサで地球中心からの姿勢のずれを検知し、そのずれを内臓しているフライホイール(はずみ車)の回転運動量に変換して調整する仕組みを持っています。 「ひまわり」はこのフライホイールの回転を制御することで常時姿勢の微調整を行っていますが、フライホイールの回転数には限界があるため、 限界に達する前にフライホイールに溜まった運動量を外部に排出(アンローディング)する必要があります。

アンローディングは衛星内部の燃料を用い、スラスターから燃焼ガスを噴射し、それにより得られる運動量と相殺することで行います。 アンローディングに必要なスラスター噴射は数秒程度で、姿勢制御に伴い計画停止をすることはありません。