火山噴煙の監視

火山が噴火すると、人体に有害な火山灰や火山ガスを含んだ雲が形成され噴煙となり風により周囲に広がっていきます。この噴煙に含まれる火山灰は航空機のエンジンに悪影響を与えるため、噴火後の噴煙の動きを把握することは航空機の運航に非常に重要です。ひまわり8号では複数のバンドを組み合わせることで、火山灰や火山ガスの動きを把握することが可能です。

図1は口永良部島の噴火の例で、2015年5月29日0210UTCのTrue Color再現画像です。単色の可視画像では周辺の雲との区別が難しいですが、可視画像を組み合わせることで茶色がかった噴煙が口永良部島の西方向と東南東方向に広がっている様子が確認できます。

図2は火山灰や火山ガスを判別しやすくするためのAsh RGB合成画像です。この画像は火山灰があると温度が低く観測されるバンド13とバンド15の差分画像(図3)と火山ガスがあると温度が低くなるバンド13とバンド11の差分画像(図4)を組み合わせて作成しています。図2のAsh RGB画像では火山灰が赤紫色(マゼンタ色)、火山ガスが黄緑色、両方あると黄色に見えます。口永良部島の噴火では火山灰・火山ガス両方が見えていることがわかります。

図1 True Color再現画像
図2 Ash RGB合成画像
図3 バンド13とバンド15の差分画像
図4 バンド13とバンド11の差分画像