エンハンスト積雲

衛星画像で、低気圧後面の寒気場内に分布するCuからなるオープンセルの領域内に、CbやCgからなる雲域が見られることがあり、これをエンハンスト積雲と呼ぶ。エンハンスト積雲は、発達した低気圧の後面から南下する強い寒気による不安定成層の中でCuが活発化しCbやCgに発達したものである。逆に、エンハンスト積雲から寒気の存在・強さを推定できる。

図1は、2016年2月11日00UTCの可視バンドによる TrueColor 画像です。図2は、図1と同日時のRGB(DaySnow-Fog)合成画像で、雲パターンEがエンハンスト積雲である。この図でオレンジ色の雲域は降水を伴う厚い雲域を表し、オープンセルの他の部分より雲頂高度が高く活発で、かなとこ巻雲も見られ組織化している。

図3は、2016年2月12日00UTCの500hPa高層天気図で、-36℃以下の寒気を伴ったトラフが日本の東に進み、対流不安定によりCuがCbやCgに発達している。

TrueColor画像 図1 2016年2月12日00UTCのTrueColor画像
RGB(Day Snow-Fog)合成画像 図2 2016年2月12日00UTCのRGB(Day Snow-Fog)合成画像
500hPa高層天気図 図3 500hPa高層天気図 2016年2月12日00UTC