情報の説明

情報の種類

東京VAACでは、噴火や大気中を浮遊する火山灰に関する情報及びそれらの観測結果に基づき、火山灰の最新の実況や予測に関する情報を発表しています。情報の種類は次のとおりです。
  1. 航空路火山灰情報
    火山灰の実況及び分布予測(6、12、18時間先を予測)を示すテキスト形式及びIWXXM GML形式電文です。
  2. 火山灰拡散予測図
    火山灰の実況及び分布予測(6、12、18時間先を予測)を示す図情報です。
  3. 火山灰実況図
    火山灰の高度、分布範囲などの実況を示す図情報です。
  4. 狭域拡散予測図(国内火山のみ)
    国内の火山が噴火した場合の火山灰の分布予測(1時間毎に6時間先までを予測)を高度別に示す図情報です。
  5. 定時拡散予測図
    噴火の可能性が高い火山について、噴火を仮定して計算された火山灰の分布予測(1時間毎に6時間先までを予測)を示す図情報です。
  6. 定時拡散・降灰予測図(国内火山のみ)
    噴火の可能性が高い国内の火山について、噴火を仮定して計算された大気中の火山灰及び降灰の分布予測(1時間毎に3時間先までを予測)を高度別に示す図情報です。
なお、上記情報のうち、1及び2はICAOの勧告に基づき東京VAACが発表する情報であり、3~6は国内利用者向けに東京VAACが独自に発表する情報です。

情報発表の時期

各種情報を発表する条件や時期は次のとおりです。
  1. 噴火の発生や火山灰が確認された場合に発表する情報
    • 気象衛星により大気中を浮遊する火山灰が検知された場合
      • 国外火山に関しては、航空路火山灰情報と火山灰拡散予測図に加え、火山灰実況図を発表します。
      • 国内火山に関しては、航空路火山灰情報と火山灰拡散予測図に加え、火山灰実況図及び狭域拡散予測図を発表します。
      なお、気象衛星の観測により大気中に火山灰が検知されている間も、噴火や火山灰に関する新たな観測情報を入手した場合は必要に応じて情報を更新します。
      新たな観測情報を入手していなくても、少なくとも6時間おきに情報を更新します。
      また、気象衛星の観測で火山灰が検知できなくなった場合は、その旨の情報を発表します。
    • 気象衛星による火山灰の検知がない場合
      • 噴火や火山灰の観測情報を入手した場合は、航空路火山灰情報を発表します。
      • 国内火山については、気象官署において噴火が確認され火山灰の高度が求められた場合に、航空路火山灰情報に加えて狭域拡散予測図を発表します。
  2. 火山灰の有無にかかわらず定期的に発表する情報
    • 定時拡散予測図を6時間毎(00, 06, 12, 18UTC)に発表します。
    • 定時拡散・降灰予測図を3時間毎(00, 03, 06, 09, 12, 15, 18, 21UTC)に発表します。

情報の解説

1. 航空路火山灰情報

航空路火山灰情報(テキスト形式及びIWXXM GML形式電文)には以下の事項が記載されています。また、その表示例を以下に掲載しています。
内容 詳細
FVFE01 RJTD DDhhmm 航空路火山灰情報のデータ種類コード、 発信官署、 発信時刻
VA ADVISORY 情報名(航空路火山灰情報であることを示す)
STATUS 試験 / 訓練識別符(条件付項目、適用される場合に含まれる)
DTG 発表日時(UTC)
VAAC 発表VAAC
VOLCANO 対象火山の名称及び火山番号
PSN 対象火山の緯度・経度(度分)
AREA 対象火山の存在する国又は地域名
SUMMIT ELEV 対象火山の標高
ADVISORY NR 情報番号(対象火山に対して当該情報を発表した西暦年及び年間を通して積算した情報発表数)
INFO SOURCE 情報源
AVIATION COLOUR CODE 航空用カラーコード(東京VAACでは運用していないためNIL)
ERUPTION DETAILS 噴火詳細
OBS VA DTG 火山灰が観測された日時
OBS VA CLD 火山灰の実況(火山灰検知の有無、火山灰領域、火山灰高度、移動方向及び移動速度。火山灰が検知されなかった場合は、上層風の予測情報)
FCST VA CLD 分布予測結果(火山灰の観測時刻からおおむね6、12及び18時間後に予測される火山灰領域と高度)
RMK その他必要な事項
NXT ADVISORY 次情報(次回情報発表の有無及びその予定時刻)

航空路火山灰情報の例

FVFE01 RJTD 130600
VA ADVISORY
DTG: 20210813/0600Z
VAAC: TOKYO
VOLCANO: FUKUTOKU-OKA-NO-BA 284130
PSN: N2417 E14129
AREA: JAPAN
SUMMIT ELEV: -29M
ADVISORY NR: 2021/3
INFO SOURCE: HIMAWARI-8
AVIATION COLOUR CODE: NIL
ERUPTION DETAILS: VA EMISSIONS CONTINUING
OBS VA DTG: 13/0520Z
OBS VA CLD: SFC/FL540 N2413 E14136 - N2251 E13850 - N2243 E13455 -
N2336 E13423 - N2455 E13655 - N2442 E14134 MOV W 50KT
FCST VA CLD +6 HR: 13/1120Z SFC/FL560 N2420 E14141 - N2116 E13432 -
N2121 E13006 - N2157 E12908 - N2348 E13229 - N2529 E13959
FCST VA CLD +12 HR: 13/1720Z SFC/FL550 N2415 E14153 - N1904 E12509 -
N1926 E12334 - N2441 E13143 - N2646 E13913
FCST VA CLD +18 HR: 13/2320Z SFC/FL560 N2413 E14153 - N1623 E11912 -
N1648 E11823 - N2520 E12821 - N2745 E13859
RMK: NIL
NXT ADVISORY: 20210813/0900Z=

2. 火山灰拡散予測図(運用略称:VAG)

以下に火山灰拡散予測図(VAG)の例を掲載しています。
航空路火山灰情報から抜粋した内容のほか、実況と6、12、18時間後の分布予測を図示しています。
ただし、火山灰の消散が見込まれる場合は、図上に“NO VA EXP”の文字を表示します。
実況または予測対象時刻は各図の左上に記しており、実線、破線で囲まれた範囲により実況または予測される火山灰の領域(ポリゴン)を示しています。
ポリゴン脇の英数字は、火山灰の「最低高度/最高高度」を表します。
また、図中には発表対象火山の位置を表すマークを示しています。

火山灰拡散予測図(VAG)の例

火山灰拡散予測図(VAG)の例

3. 火山灰実況図(運用略称:VAGI)

以下に火山灰実況図(VAGI)の例を掲載しています。
大気中を浮遊する火山灰の実況を図示してます。
図中には航空路火山灰情報から抜粋した事項として発表機関名(TOKYO VAAC)、火山灰の観測時刻(OBS VA DTG)、発表時刻(Issued)、情報源(SOURCE)、記事(RMK)の他、気象衛星で観測された火山灰の範囲を黒線で示しています。
その他、火山灰の移動方向及び移動速度、対象火山の名称、位置(緯度・経度)及び標高、参考用航空路及び位置通報点を図示しています。

火山灰実況図(VAGI)の例

火山灰実況図(VAGI)の例

4. 狭域拡散予測図(運用略称:VAGFN)

以下に狭域拡散予測図(VAGFN)の例を掲載しています。
国内の火山を対象として、1時間ごとの火山灰の分布予測を図示しています。
図は2枚あり、1枚目に1時間後から3時間後まで、2枚目に4時間後から6時間後までの火山灰の分布予測を黒色塗り潰しで示しています。
また、図の上段はFL180-FL550の、下段はSFC(地表)-FL180の高度範囲における分布予測を示しています。
その他、初期時刻(BASE TIME)、発表時刻(ISSUED TIME)、発表機関名(Tokyo VAAC)、対象火山の名称及び標高、噴火時刻又は火山灰の観測時刻(ERUPTION TIME)及び火山灰の高度(ASH PLUME HEIGHT)が記載されています。

狭域拡散予測図の例

狭域拡散予測図の例

5. 定時拡散予測図(運用略称:VAGFNR)

以下に定時拡散予測図(VAGFNR)の例を掲載しています。
噴火の可能性が高い火山について、連続的に噴火すると想定した場合の6時間先までの1時間毎の火山灰の分布予測を図示しています。
図は、東日本(EAST)、中日本(CENTER)、西日本(WEST)、カムチャツカ半島周辺(KAM)、千島列島周辺(KURIL)、フィリピン周辺(PHIL)及びその他(OTHE)の領域に分けて発表されます。
領域内に噴火の可能性が高い火山が存在しない場合は発表されません。
その他、図中には初期時刻(BASE TIME)、発表時刻(ISSUED TIME)、発表機関名(TOKYO VAAC)、次回発表予定時刻(NEXT VAGFNR)、対象火山の名称と標高及び予測対象高度の範囲(SFC-FL180)を記載しています。

定時拡散予測図の例

定時拡散予測図の例

6. 定時拡散・降灰予測図(運用略称:VAGFNR-AF)

以下に定時拡散・降灰予測図(VAGFNR-AF)の例を掲載しています。
噴火の可能性が高い国内火山について、単発的に噴火すると想定した場合の3時間先までの1時間毎の火山灰の分布予測及び地上への降灰の予測範囲を火山毎に図示しています。
図は上下2段で構成されており、上段には、FL100-FL200の高度範囲における火山灰の分布予測を赤色塗り潰しで図示しています。
下段には、SFC-FL100の高度範囲における火山灰の分布予測をオレンジ色塗り潰しで、地上への降灰の予測範囲を網掛けで図示しています。
その他、発表時刻(ISSUED TIME)、対象火山名(VOLCANO)、仮定噴火時刻(ASSUMED ERUPTION TIME)及び仮定噴煙高度(ASSUMED PLUME HEIGHT)を記しているほか、火山の位置を示すマーク、空港の位置を示すマークを示しています。

定時拡散・降灰予測図の例

定時拡散・降灰予測図の例
 火山灰拡散予測図(VAG)、火山灰実況図(VAGI)、狭域拡散予測図(VAGFN)、定時拡散予測図(VAGFNR)および定時拡散・降灰予測図(VAGFNR-AF)の作成にはGSHHG
 (Global Self-consistent Hierarchical High-resolution Geography; Wessel, P., and W. H. F. Smith, A Global Self-consistent,
   Hierarchical, High-resolution Shoreline Database, J. Geophys. Res., 101, #B4, pp. 8741-8743, 1996)を使用しています。