南極の気象(2010年6月)


1.概 況

 極夜期を迎え、南極大陸上空の成層圏では極渦が発達し、昭和基地でもしばしば極成層圏雲を観測した。 極渦の外縁部にあたる南極海では低気圧がよく発達したが、昭和基地へは低気圧があまり接近せず大きく天気が崩れる日は少なかった。 このため、月平均気温は月の低いほうから9位タイとなった。ブリザードはC級が3回あった。

  ブリザード、カタバ風‥‥用語解説


2.旬別の天候経過

上旬:
7日までは低気圧の影響を受け、5~6日はC級ブリザードとなった。 8日からは高気圧の勢力が強まり、晴れて気温が低下した。
中旬:
12~14日にかけて発達した低気圧の影響で13日はC級ブリザードとなった。 15日以降も弱い低気圧が停滞した影響でくもりや雪の日が続いた。 20日は別の低気圧が接近し、ふぶきとなった。
下旬:
22日まで低気圧接近のため、ふぶきとなり、20~21日はC級ブリザードとなった。 24日からは内陸の高気圧の勢力が強まり、27日には日最低気温が-35.5度まで下がるなど、晴れて寒い日が続いた。


3.気温、風向風速等の気候統計値

気温、風向風速等の気候統計値
平均気温-17.8℃平均湿度69%
最高気温-6.9℃(13・14日)平均雲量7.8
最低気温-35.5℃(27日)日照時間-
平均風速6.6m/s全天日射量-
最多風向ENE雪日数22日
最大風速32.9m/s(ENE 13日)霧日数0日
最大瞬間風速39.1m/s(ENE 13日)平均気圧(海面)978.5hPa


4.日平均気温と日平均風速の推移および月平均気温の累年値

日平均気温と日平均風速の推移

日平均気温と日平均風速の推移

月平均気温の累年値

月平均気温の累年値



5.大気の流れ



南半球月平均500hPa高度および平年偏差

南半球月平均500hPa高度および平年偏差
等値線は500hPa高度を表し、間隔は60m。陰影域は平年偏差を表す。平年値は1979-2004年の期間の平均値。



6.南極昭和基地上空のオゾン層と紫外線の状況について



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