南極の気象(2010年7月)
1.概 況
今月は地表付近に安定して温度逆転層が存在したため、気温の低い状態が継続した。 このため、月平均気温が7月の低い方から4位となった。 低気圧が接近した日にはA級1回を含む4回のブリザードを記録したが、悪天が長続きすることはなく、全体としては好天・低温の月であった。
ブリザード、カタバ風‥‥用語解説
2.旬別の天候経過
- 上旬:
- 4日までは晴れて気温の低い日が続き、2日には最低気温が-37.2℃まで下がった。 5日から7日は低気圧の影響でふぶきとなり、7日はC級ブリザードを記録した。 8日は晴れたが、9日から10日は別の低気圧が接近したため、C級ブリザードとなった。
- 中旬:
- 11日は引き続きふぶきとなったが、12日から15日はよく晴れて気温が下がり、12日は蜃気楼効果で地平線下の太陽を視認することができた。 14日の日最高気温は-29.7℃までしか上がらず、7月の日最高気温低い方から8位を記録した。 16日は低気圧が接近したため、B級ブリザードとなったが、17日以降は再び晴天が続いた。
- 下旬:
- 21日は晴れたが、22日からは発達した低気圧の影響を受け雪が降り出し、23日には強いふぶきとなりA級ブリザードを記録した。 24日には天気は回復したが、27日から28日にかけて昭和基地の北を低気圧が通過し、曇りとなった。 この低気圧が北から暖かい空気をもたらしたため、27日以降は地表付近の逆転層が解消し、比較的気温が高い状態が継続した。
3.気温、風向風速等の気候統計値
平均気温 | -21.3℃ | 平均湿度 | 68% |
---|---|---|---|
最高気温 | -7.4℃(16日) | 平均雲量 | 6.6 |
最低気温 | -37.2℃(2日) | 日照時間 | 3.0h(6%) |
平均風速 | 6.4m/s | 全天日射量 | 0.1MJ/㎡ |
最多風向 | ENE | 雪日数 | 15日 |
最大風速 | 32.6m/s(NE 23日) | 霧日数 | 0日 |
最大瞬間風速 | 38.5m/s(NE 23日) | 平均気圧(海面) | 977.3hPa |
4.日平均気温と日平均風速の推移および月平均気温の累年値
日平均気温と日平均風速の推移
月平均気温の累年値
5.大気の流れ
南半球月平均500hPa高度および平年偏差
等値線は500hPa高度を表し、間隔は60m。陰影域は平年偏差を表す。平年値は1979-2004年の期間の平均値。
6.南極昭和基地上空のオゾン層と紫外線の状況について
南極昭和基地上空のオゾン層と紫外線の状況についてはオゾン層・紫外線のページを参照してください。
毎月20日頃、最新版に更新されます。またオゾン層に関する報道発表を随時行っています。