南極の気象(2010年8月)


1.概 況

 月の前半を中心に内陸の高気圧に覆われる日が多く、よく晴れて気温の低い日が続いた。 月の後半は、発達した低気圧の影響を受けブリザードとなる日もあったが、気温は比較的低い日が多かった。 このため、月平均気温が8月の低い方から2位、通年でも5位となった。 前月に引き続き、好天・低温の月であった。

  ブリザード、カタバ風‥‥用語解説


2.旬別の天候経過

上旬:
9日までは内陸の高気圧に覆われ、晴れて気温の低い日が続いた。 6日から7日の昼にかけては快晴となったため、地表付近に強い逆転層が生じ、7日の最低気温は-39.1℃まで下がった。 10日は低気圧の影響で雪となったが、天気の崩れは小さかった。
中旬:
14日までは内陸の高気圧に覆われ、特に寒気の強まった13日には日最高気温が-31.0℃までしか上がらなかった。 15日から20日は発達した低気圧が次々と接近し、A級及びB級のブリザードをもたらした。
下旬:
24日までは弱い低気圧が停滞し、雪の降りやすい天気が続いた。 25日、26日は内陸の高気圧に覆われたが、27日から29日にかけて発達した低気圧が接近し、B級ブリザードとなった。 この低気圧は弱まりながら停滞し、31日まで雪の降りやすい天気が続いた。


3.気温、風向風速等の気候統計値

気温、風向風速等の気候統計値
平均気温-23.1℃平均湿度69%
最高気温-8.0℃(20日)平均雲量6.3
最低気温-39.1℃(7日)日照時間65.4h(30%)
平均風速6.9m/s全天日射量1.4MJ/㎡
最多風向NE雪日数22日
最大風速34.8m/s(ENE 16日)霧日数0日
最大瞬間風速43.8m/s(ENE 16日)平均気圧(海面)974.0hPa


4.日平均気温と日平均風速の推移および月平均気温の累年値

日平均気温と日平均風速の推移

日平均気温と日平均風速の推移

月平均気温の累年値

月平均気温の累年値



5.大気の流れ



南半球月平均500hPa高度および平年偏差

南半球月平均500hPa高度および平年偏差
等値線は500hPa高度を表し、間隔は60m。陰影域は平年偏差を表す。平年値は1979-2004年の期間の平均値。



6.南極昭和基地上空のオゾン層と紫外線の状況について



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