南極の気象(2011年1月)
1.概 況
発達した低気圧が周期的に昭和基地へ近づき、雪やふぶきをもたらした。 特に月の後半は低気圧が昭和基地付近に停滞したため、ほとんど日照のない日が続き、月照時間159.9hは1月の少ないほうから1位となった。 低気圧の影響で月平均風速が平年より3.9m/s強く、低気圧が暖かい空気をもたらしたため、気温は平年より高めに経過した。
ブリザード、カタバ風‥‥用語解説
2.旬別の天候経過
- 上旬:
- 1から5日にかけて発達した低気圧が続けて昭和基地の北を通過したため、雪やふぶきとなった。 低気圧が最も接近した3日は最大風速が28.0m/sを記録したが、視程が極端に悪化せずブリザードとはならなかった。 6から10日はインド洋の高気圧に覆われ比較的よく晴れたが、朝晩は冷え込み7日、8日、10日は霧が発生した。
- 中旬:
- 12日までは引き続き高気圧に覆われ晴れた。 13日から低気圧の影響を受けくもりとなり、16日からは雪の日が続いた。 16から18日は、上空に暖かい空気が入ったため、雲が多く放射冷却がなかったため、最低気温がプラスとなった。
- 下旬:
- 発達した低気圧が次々と接近したため、雪やふぶきの日が続いた。 このため、旬日照時間は16.5hしかなかった。 27から28日は発達した低気圧が接近し、C級ブリザードを記録した。
3.気温、風向風速等の気候統計値
平均気温 | 0.0℃ | 平均湿度 | 77% |
---|---|---|---|
最高気温 | 4.9℃(14,15日) | 平均雲量 | 9.4 |
最低気温 | -7.3℃(10日) | 日照時間 | 159.9h |
平均風速 | 8.2m/s | 全天日射量 | 21.7MJ/㎡ |
最多風向 | NE | 雪日数 | 25日 |
最大風速 | 28.0m/s(ENE 3日) | 霧日数 | 3日 |
最大瞬間風速 | 34.5m/s(ENE 3日) | 平均気圧(海面) | 988.4hPa |
4.日平均気温と日平均風速の推移および月平均気温の累年値
日平均気温と日平均風速の推移
月平均気温の累年値
5.大気の流れ
南半球月平均500hPa高度および平年偏差
等値線は500hPa高度を表し、間隔は60m。陰影域は平年偏差を表す。平年値は1979-2004年の期間の平均値。
6.南極昭和基地上空のオゾン層と紫外線の状況について
南極昭和基地上空のオゾン層と紫外線の状況についてはオゾン層・紫外線のページを参照してください。
毎月20日頃、最新版に更新されます。またオゾン層に関する報道発表を随時行っています。