南極の気象(2023年8月)


1.概 況

8月は下旬を中心に低気圧が次々と接近し、暖かく湿った空気が流入した影響で月平均気温と月平均湿度が平年よりかなり高く、8月の月平均気温は高い方から第3位となる-15.2℃を記録した。
また、月間日照時間が35.0時間と平年に比べてかなり少なく、8月の月間日照時間の少ない方から第8位となったほか、8月の降雪の深さ月合計は多い方の極値を更新する99cmを記録した。
月平均風速は平年に比べて大きかった。
上旬は低気圧や気圧の谷の影響で曇りや雪の日が多かった。
ふぶきの日も多く、6日から7日にかけてはブリザードを記録した。
旬間日照時間は平年に比べてかなり少なく、旬平均気温は平年に比べて高かった。
中旬の前半は低気圧の影響で曇りや雪の日が多かった。
ふぶきの日もあり、14日から15日にかけてはブリザードを記録した。
後半は高気圧に覆われて晴れた日が多かった。
19日は最低気温が-32.6℃まで下がり、64次隊として初めて-30℃を下回った。
旬平均風速は平年に比べて小さかった。
下旬は低気圧の影響でふぶきの日が続いた。
断続的に4回のブリザードを記録し、22日から24日にかけては64次隊として初めてA級ブリザードとなった。
旬平均気温は平年に比べてかなり高く、23日の最低気温は高い方の極値を更新する-5.0℃を記録した。
また、平年に比べて旬平均風速がかなり大きく、旬間日照時間がかなり少なかった。

  ブリザード、カタバ風‥‥用語解説




2.気温、風向風速等の気候統計値

気温、風向風速等の気候統計値
平均気温-15.2 )℃平均湿度79 )%
最高気温-3.4 )℃(22日)平均雲量8.3
最低気温-32.6℃(19日)日照時間35.0h
平均風速8.1m/s全天日射量1.3MJ/㎡
最多風向NE雪日数24日
最大風速35.8m/s(NE 29日)霧日数0日
最大瞬間風速43.4m/s(NE 29日)平均気圧(海面)980.6 )hPa

数字の横についている記号の意味は「 データに付加する記号の意味」を参照してください。


3.日平均気温と日平均風速の推移および月平均気温の累年値

日平均気温と日平均風速の推移

日平均気温と日平均風速の推移

データは こちら をご参照下さい。
月平均気温の累年値

月平均気温の累年値

データは こちら をご参照下さい。


4.大気の流れ



南半球月平均500hPa高度および平年偏差

南半球月平均500hPa高度および平年偏差
等値線は500hPa高度を表し、間隔は60m。陰影域は平年偏差を表す。平年値は1991-2020年の期間の平均値。



5.南極昭和基地上空のオゾン層と紫外線の状況について



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