南極の気象(2024年7月)
1.概 況
7月は周期的に天気が変わり、寒暖差の大きい月だった。
上旬と中旬は発達した低気圧や気圧の谷の影響でふぶきとなる日があり、合わせて4回のブリザードを記録した。
7月の月平均気温は-13.2℃で月平均気温の高い方からの7月の第2位を記録した。
上旬は、旬前半は大陸の高気圧の張り出しの中となり晴れの日が多く、旬後半は発達した低気圧の接近や気圧の谷の通過により雪やふぶきの日が多かった。
5日から6日にかけてのふぶきはB級ブリザード、6日から7日にかけてのふぶきはA級ブリザードとなった。
7日には発達した低気圧によって流入した暖気により日最高気温-1.5℃、日最低気温-5.3℃を記録し、1957年の統計開始以来7月の日最高気温と日最低気温の高い方からの極値をそれぞれ更新した。
中旬は、上旬同様、旬前半は大陸の高気圧の張り出しの中となり晴れの日が多く、旬後半は発達した低気圧の接近や気圧の谷の通過により雪やふぶきの日が多かった。
13日は晴れて放射冷却により気温が下がり、日最低気温-35.4℃を観測した。
17日から18日にかけてのふぶきはB級ブリザード、19日から20日にかけてのふぶきはC級ブリザードとなった。
下旬は、旬のはじめと終わりに大陸の高気圧の張り出しの中となり晴れの日が多く、旬の中頃は気圧の谷の影響で雪の日が多かった。
日最高気温は30日に-1.8℃、29日に-2.3℃を観測し、それぞれ7月の日最高気温の高い方から第2位と第3位を記録した。
ブリザード、カタバ風‥‥用語解説
2.気温、風向風速等の気候統計値
平均気温 | -13.2℃ | 平均湿度 | 74% |
---|---|---|---|
最高気温 | -1.5℃(7日) | 平均雲量 | 7.6 |
最低気温 | -35.4℃(13日) | 日照時間 | 12.7h |
平均風速 | 6.1m/s | 全天日射量 | 0.1MJ/㎡ |
最多風向 | NE ) | 雪日数 | 21日 |
最大風速 | 29.5m/s(NE 6日) | 霧日数 | 1日 |
最大瞬間風速 | 35.1m/s(NE 6日) | 平均気圧(海面) | 999.3hPa |
3.日平均気温と日平均風速の推移および月平均気温の累年値
日平均気温と日平均風速の推移
月平均気温の累年値
4.大気の流れ
南半球月平均500hPa高度および平年偏差
等値線は500hPa高度を表し、間隔は60m。陰影域は平年偏差を表す。平年値は1991-2020年の期間の平均値。
5.南極昭和基地上空のオゾン層と紫外線の状況について
南極昭和基地上空のオゾン層と紫外線の状況についてはオゾン層・紫外線のページを参照してください。
毎月下旬、最新版に更新されます。またオゾン層に関する報道発表を随時行っています。