2024年6月の天候
2024年7月1日 掲載
2024年7月4日 その他の事項に台風を追記
2024年6月の特徴
* 気温は、北・東日本でかなり高かった
気温は、中旬以降暖かい空気に覆われやすかった北・東日本でかなり高かった。
* 降水量は、北日本太平洋側でかなり少なかった。一方、東日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり多かった
降水量は、中旬に高気圧に覆われやすかった北日本太平洋側でかなり少なかった。一方、中旬に梅雨前線の影響を受けやすかった沖縄・奄美と、下旬に梅雨前線の影響を受けやすかった東日本太平洋側でかなり多かった。
* 日照時間は、北・東日本太平洋側と東日本日本海側でかなり多かった
日照時間は、中旬を中心に高気圧に覆われやすかった北・東日本太平洋側と東日本日本海側でかなり多かった。
概況
中旬までは梅雨前線が南西諸島付近や日本の南で停滞することが多く、下旬になって梅雨前線が北上し本州付近に停滞することが多くなった。このため、北・東・西日本の各地方で梅雨入り(速報値)が平年より遅く、2週間以上遅くなった所もあった。中旬に梅雨前線の影響を受けやすかった沖縄・奄美では月降水量がかなり多かった。梅雨入りが遅れ、中旬はこの時期としては高気圧が本州付近を覆うことが多かったため、月間日照時間は北・東日本太平洋側と東日本日本海側でかなり多く、北・西日本日本海側で多かった。また、月降水量は北日本太平洋側でかなり少なかった。下旬は梅雨前線が本州付近に停滞することが多く、月降水量は梅雨前線の影響を受けやすかった東日本太平洋側でかなり多く、西日本太平洋側で多かった。上旬は西日本や沖縄・奄美を中心に冷涼な空気に覆われる時期があったものの、中旬以降は全国的に暖かい空気に覆われやすかったため、月平均気温は北・東日本でかなり高く、西日本と沖縄・奄美で高かった。
降水量は、東日本太平洋側、沖縄・奄美ではかなり多かった。西日本太平洋側では多かった。北日本太平洋側ではかなり少なかった。北日本日本海側、東日本日本海側、西日本日本海側では平年並だった。
日照時間は、北日本太平洋側、東日本日本海側、東日本太平洋側ではかなり多かった。北日本日本海側、西日本日本海側では多かった。西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
気温、降水量、日照時間等の気候統計値
平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布 | 地域平均平年差、地域平均平年比の1位の値の更新状況 |
* 平均気温の高い記録を更新した地域東北地方
* 平均気温の低い記録を更新した地域なし * 降水量の多い記録を更新した地域なし * 降水量の少ない記録を更新した地域なし * 日照時間の多い記録を更新した地域なし * 日照時間の少ない記録を更新した地域なし |
旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過 | 平均気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均) |
この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1) | この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1) |
旬別の天候経過
上旬
偏西風が南に蛇行して流れるとともに、日本の南で太平洋高気圧の勢力が弱かったため、日本付近は冷涼な空気に覆われるとともに、梅雨前線が日本の南で停滞した。また、東・西日本を中心に冷涼な高気圧に覆われることが多かった。このため、旬平均気温は西日本と沖縄・奄美で低く、旬間日照時間は東・西日本日本海側と東・西日本太平洋側で多かった一方、沖縄・奄美で少なかった。期間の終わりには、日本の南での太平洋高気圧の強まりとともに、梅雨前線が華中から四国の南にかけて停滞し、前線上の低気圧の影響などで沖縄・奄美、九州南部や四国では大雨となった所があった。九州南部では8日頃、四国地方では9日頃に梅雨入りした(速報値)。
旬降水量は、北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
旬間日照時間は、東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側では多かった。沖縄・奄美では少なかった。北日本日本海側、北日本太平洋側では平年並だった。
中旬
梅雨前線が南西諸島付近に停滞することが多かったため、沖縄・奄美では旬降水量がかなり多く、旬間日照時間がかなり少なかった。一方、この時期としては移動性高気圧が本州付近を覆うことが多かったため、北日本太平洋側と東日本日本海側で旬降水量がかなり少なく、東・西日本日本海側と北・東日本太平洋側で旬間日照時間がかなり多かった。東日本日本海側の旬間日照時間平年比は193%で、1961年の統計開始以降、6月中旬として1位の多照となった。九州北部地方では17日頃に梅雨入りし、沖縄地方では20日頃に梅雨明けした(速報値)。北・東・西日本では晴れて暖かい空気に覆われやすかったとともに、低気圧が中国東北区からサハリン付近を通過することが多く、北日本を中心に暖かい空気が流れ込みやすかったため、旬平均気温は北・東・西日本でかなり高く、北日本の旬平均気温平年差は+3.5℃で、1946年の統計開始以降、6月中旬として1位の高温となった。
旬降水量は、沖縄・奄美ではかなり多かった。東日本太平洋側では多かった。北日本太平洋側、東日本日本海側ではかなり少なかった。北日本日本海側、西日本日本海側、西日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間は、北日本太平洋側、東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本日本海側ではかなり多かった。北日本日本海側、西日本太平洋側では多かった。沖縄・奄美ではかなり少なかった。
下旬
梅雨前線が本州付近に停滞することが多く、特に21日は鹿児島県で、28日は静岡県で線状降水帯が発生するなど、梅雨前線の活動が活発となり、東・西日本太平洋側を中心に大雨となった。旬降水量は東日本太平洋側でかなり多く、東・西日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。旬間日照時間は西日本日本海側と西日本太平洋側でかなり少なかった。北日本では前半は低気圧の影響を受けやすく、旬降水量は北日本日本海側で多くなったが、後半は低気圧の影響を受けにくく晴れの日が多かったことから、旬間日照時間は北日本太平洋側で多かった。沖縄・奄美では太平洋高気圧に覆われて晴れることが多く、旬降水量は少なく、旬間日照時間はかなり多かった。関東甲信地方、東海地方、近畿地方では21日頃、北陸地方、中国地方では22日頃、東北北部と東北南部では23日頃に梅雨入りし、奄美地方では23日頃に梅雨明けした(速報値)。北日本では暖かい空気が流れ込みやすく、東・西日本と沖縄・奄美では暖かい空気に覆われやすかったため、旬平均気温は北日本と沖縄・奄美でかなり高く、東・西日本で高かった。特に、太平洋高気圧に覆われやすかった沖縄・奄美の旬平均気温平年差は+1.3℃で、1946年の統計開始以降、6月下旬として1位の高温となった。
旬降水量は、東日本太平洋側ではかなり多かった。北日本日本海側、東日本日本海側、西日本日本海側、西日本太平洋側では多かった。沖縄・奄美では少なかった。北日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間は、沖縄・奄美ではかなり多かった。北日本太平洋側では多かった。西日本日本海側、西日本太平洋側ではかなり少なかった。北日本日本海側、東日本日本海側、東日本太平洋側では平年並だった。
循環場
500hPa高度場等の特徴
500hPa高度では、サハリン付近を中心に平年より低かった一方、日本付近は平年より高かった。このため、日本付近は暖かい空気に覆われやすかったことに加え、北日本では南から暖かい空気が流れ込みやすかった。また、亜熱帯ジェット気流は平年より南を流れた。これに対応して、海面気圧は日本の南に等圧線のくびれが見られ、梅雨前線が平年より南に位置しやすかった。このため、沖縄・奄美では梅雨前線の影響を受けやすく、北・東・西日本では梅雨前線の影響を受けにくかった。
月別値で作成した図を表示しています。 (※2、翌月はじめに暫定版として作成・掲載している日別値の図はこちら) 翌月はじめに暫定的に日別値で作成した図で、月末までのデータを含まない事があります。6日頃に月別値で作成した図を掲載します。(月別値の図は掲載後にこちらで確認できます) | |
2024年6月平均500hPa高度・偏差の分布(単位:m) | 2024年6月平均850hPa気温・偏差の分布(単位:℃) |
2024年6月平均海面気圧・偏差の分布(単位:hPa) | 2024年6月平均外向き長波放射量の偏差の分布(単位:W/m2) |
外向き長波放射量(OLR)の図は翌月数日経ってから作成しています。 | |
※ 米国海洋大気庁(NOAA)が作成する外向き長波放射量(OLR)のデータが欠損により利用できない場合には、OLR偏差図は描画されません。 |
資料
その他の事項(記録など)
台風の発生(速報値、日本時間): なし
台風の接近(速報値): なし
台風の上陸(速報値、日本時間): なし
※ : 特に作成日の言及がない図は、本資料を掲載した月初時点に作成したものです。
※1 : リンク先の図表類は、平年値更新時などに再作成されることがあります。リンク先にある平年値期間などの記述をご確認ください。
※2 : こちらに掲載しているものと同じ図を表示しています。平年値が変わった場合などには図を再作成することがあるため、解説内容と齟齬が生じることもあります。