2024年9月の天候

2024年10月1日掲載

2024年10月15日その他の事項に台風を追記

2024年9月の特徴

＊気温は、全国的にかなり高かった

気温は、暖かい空気に覆われやすく、全国的にかなり高かった。1946年の統計開始以降、東日本と西日本では9月として1位、沖縄・奄美では1位タイの高温となった。全国153の気象台等のうち91地点で、月平均気温が9月として歴代1位の高温となった（7地点のタイ記録を含む）。

＊降水量は、北・西日本太平洋側と西日本日本海側でかなり少なかった

降水量は、高気圧に覆われやすかった北・西日本太平洋側と西日本日本海側でかなり少なかった。

＊日照時間は、北・西日本日本海側と西日本太平洋側でかなり多かった

日照時間は、高気圧に覆われやすかった北・西日本日本海側と西日本太平洋側でかなり多かった。西日本日本海側と西日本太平洋側では、それぞれ1946年の統計開始以降、9月として1位の多照となった。

暖かい空気に覆われやすく、全国の猛暑日を記録したアメダス地点数の9月の積算は1,452で、比較可能な2010年以降で9月として最も多くなった。月平均気温は全国的にかなり高く、月平均気温偏差は東日本で+3.2℃、西日本で+3.4℃、沖縄・奄美で+1.1℃となり、1946年の統計開始以降、東日本と西日本では9月として1位、沖縄・奄美では2017年9月と並んで1位タイの高温となった。全国153の気象台等のうち91地点で、月平均気温が9月として歴代1位の高温となった（7地点のタイ記録を含む）。また、地球温暖化等の長期的な気候変動の監視に用いる15地点の観測値による日本の月平均気温（＊）の基準値からの偏差は+2.52℃となり、統計を開始した1898年以降、9月として2023年に次いで2位の高温となった。

北・東・西日本では高気圧に覆われやすく、月降水量は北・西日本太平洋側と西日本日本海側でかなり少なく、北日本日本海側と東日本太平洋側で少なかった。また、月間日照時間は北・西日本日本海側と西日本太平洋側でかなり多く、北・東日本太平洋側と東日本日本海側で多かった。月間日照時間平年比は西日本日本海側で149％、西日本太平洋側で132％となり、それぞれ1946年の統計開始以降、9月として1位の多照となった。ただし中旬の終わりから下旬のはじめにかけては秋雨前線の活動が活発化し、20日は秋田県で、21日は石川県で線状降水帯が発生するなど記録的な大雨となった所もあり、東日本日本海側の月降水量は多かった。沖縄・奄美では中・下旬を中心に台風や熱帯低気圧の影響を受けやすく、月間日照時間は少なかった。

（＊）都市化による影響が比較的小さく、長期間の観測が行われている地点から、地域的に偏りなく分布するように選定した15地点（網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、宮崎、多度津、名瀬、石垣島）の気象台等の観測値を用いた統計。

平均気温は、北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。

降水量は、東日本日本海側では多かった。北日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側ではかなり少なかった。北日本日本海側、東日本太平洋側では少なかった。沖縄・奄美では平年並だった。

日照時間は、北日本日本海側、西日本日本海側、西日本太平洋側ではかなり多かった。北日本太平洋側、東日本日本海側、東日本太平洋側では多かった。沖縄・奄美では少なかった。

2024年9月の地域平均気候表

気温、降水量、日照時間等の気候統計値

平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布

地域平均平年差、地域平均平年比の1位の値の更新状況

＊平均気温の高い記録を更新した地域

東日本、西日本、東海地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州北部地方、九州南部・奄美地方、九州南部、奄美地方、沖縄地方

沖縄・奄美（タイ）、関東甲信地方（タイ）、北陸地方（タイ）

＊平均気温の低い記録を更新した地域

なし

＊降水量の多い記録を更新した地域

なし

＊降水量の少ない記録を更新した地域

近畿日本海側、中国地方

西日本日本海側（九州北部地方を除く）（タイ）

＊日照時間の多い記録を更新した地域

西日本、西日本日本海側、西日本太平洋側、近畿地方、近畿日本海側、近畿太平洋側、中国地方、山陰、山陽、九州北部地方、西日本日本海側（九州北部地方を除く）

北海道地方（タイ）

＊日照時間の少ない記録を更新した地域

なし

旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過	平均気温の地域平均平年差の経過（5日移動平均）
この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。（※1）	この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。（※1）

旬別の天候経過

上旬

北・東・西日本では、前線の影響で局地的に大雨となった所もあったが、高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。このため、旬間日照時間平年比は北日本日本海側で147%、西日本日本海側で174%、西日本太平洋側で156%となり、それぞれ1961年の統計開始以降、9月上旬として1位の多照となった。また、北・東日本太平洋側でも旬間日照時間はかなり多く、東日本日本海側で多かった。旬降水量は北日本太平洋側と西日本日本海側でかなり少なく、北・東日本日本海側と西日本太平洋側で少なかった。沖縄・奄美では、高気圧に覆われて晴れた日が多かったが、熱帯低気圧や湿った空気の影響で曇りや雨の日もあった。旬平均気温は、全国的に暖かい空気に覆われやすかったため、東・西日本と沖縄・奄美でかなり高く、北日本で高かった。晴れて強い日射の影響を受けたこともあり、旬後半を中心に猛暑日となった地点が多くなった。

旬平均気温は、東日本、西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。北日本では高かった。

旬降水量は、北日本太平洋側、西日本日本海側ではかなり少なかった。北日本日本海側、東日本日本海側、西日本太平洋側では少なかった。東日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。

旬間日照時間は、北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側ではかなり多かった。東日本日本海側では多かった。沖縄・奄美では平年並だった。

中旬

全国的に暖かい空気に覆われやすく、旬平均気温は全国でかなり高かった。東日本太平洋側と西日本を中心に高気圧に覆われやすく、強い日射の影響もあって、20日は静岡で39.2℃を観測するなど日最高気温の9月の記録を更新した所が多くなった。猛暑日となった地点数も多く、旬平均気温平年差は東日本と西日本のどちらも＋4.9℃となり、それぞれ1946年の統計開始以降、9月中旬として1位の高温となった。また、旬降水量は西日本日本海側でかなり少なく、北・東・西日本太平洋側で少なかった。旬間日照時間は、東・西日本太平洋側と西日本日本海側でかなり多かった。一方、東日本日本海側を中心に前線の影響で曇りや雨の日もあった。20日には秋田県で線状降水帯が発生するなど記録的な大雨となった所もあった。また、沖縄・奄美では台風第13号が接近して大荒れとなった所があったほか、台風第14号や熱帯低気圧の影響もあって曇りや雨の日もあった。これらのことから、旬降水量は、東日本日本海側と沖縄・奄美で多かった。旬間日照時間は、沖縄・奄美では少なかった。

旬平均気温は、北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。

旬降水量は、東日本日本海側、沖縄・奄美では多かった。西日本日本海側ではかなり少なかった。北日本太平洋側、東日本太平洋側、西日本太平洋側では少なかった。北日本日本海側では平年並だった。

旬間日照時間は、東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側ではかなり多かった。沖縄・奄美では少なかった。北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側では平年並だった。

下旬

21日から22日にかけて秋雨前線が日本列島をゆっくり南下して、東日本日本海側を中心に大雨となり、21日には石川県で線状降水帯が発生するなど記録的な大雨となった所もあった。旬降水量は、東日本日本海側で多かった。ただし、東日本太平洋側では秋雨前線の影響は小さく、旬降水量は少なかった。旬の半ば以降は北・東・西日本日本海側を中心に移動性高気圧に覆われて晴れた日が多く、旬間日照時間は北日本日本海側でかなり多く、東・西日本日本海側で多かった。一方、北日本太平洋側は高気圧後面の湿った空気の影響で曇る日もあった。旬後半は秋雨前線が本州南岸に停滞し、また東シナ海付近では台風第16号や熱帯低気圧の影響を受けやすかった。このため、旬間日照時間は北・東日本太平洋側と沖縄・奄美で少なかった。東・西日本と沖縄・奄美は暖かい空気に覆われて真夏日となった地点も多く、旬平均気温はかなり高かった。旬平均気温偏差は西日本で+3.2℃となり、1946年の統計開始以降、9月下旬として1位の高温となった。北日本は旬前半に寒気の影響を受けたものの、その後は暖かい空気に覆われて、旬平均気温は高かった。

旬平均気温は、東日本、西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。北日本では高かった。

旬降水量は、東日本日本海側では多かった。東日本太平洋側では少なかった。北日本日本海側、北日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。

旬間日照時間は、北日本日本海側ではかなり多かった。東日本日本海側、西日本日本海側では多かった。北日本太平洋側、東日本太平洋側、沖縄・奄美では少なかった。西日本太平洋側では平年並だった。

※ 下旬の循環場の図は翌月数日経ってから掲載します。掲載までお待ちください。

循環場

500hPa高度場等の特徴

500hPa高度では、華北から日本海にかけてを中心に平年より顕著に高かった。亜熱帯ジェット気流は平年より北を流れやすく、日本付近は暖かい空気に覆われやすかった。海面気圧では、本州付近は平年より高く、北・東・西日本は高気圧に覆われやすかった。一方、東シナ海付近は平年より低く、沖縄・奄美では台風や熱帯低気圧の影響を受けやすかった。

月別値で作成した図を表示しています。 (※2、翌月はじめに暫定版として作成・掲載している日別値の図はこちら）翌月はじめに暫定的に日別値で作成した図で、月末までのデータを含まない事があります。6日頃に月別値で作成した図を掲載します。(月別値の図は掲載後にこちらで確認できます）
2024年9月平均500hPa高度・偏差の分布（単位:m）	2024年9月平均850hPa気温・偏差の分布（単位:℃）


2024年9月平均海面気圧・偏差の分布（単位:hPa）	2024年9月平均外向き長波放射量の偏差の分布（単位:W/m²）
	外向き長波放射量(OLR)の図は翌月数日経ってから作成しています。

※ 米国海洋大気庁(NOAA)が作成する外向き長波放射量(OLR)のデータが欠損により利用できない場合には、OLR偏差図は描画されません。