2024年10月の天候

2024年11月1日 掲載

2024年11月15日 その他の事項に台風を追記

2024年10月の特徴

* 気温は、全国的にかなり高かった

暖かい空気に覆われやすかったため、気温は全国的にかなり高かった。1946年の統計開始以降、北日本、東日本と西日本では10月として1位の高温となった。全国153の気象台等のうち139地点で、月平均気温が10月として歴代1位の高温となった(1地点のタイ記録を含む)。また、地球温暖化等の長期的な気候変動の監視に用いる15地点の観測値による日本の月平均気温(*)の基準値からの偏差は+2.21℃で、これまでに最も高かった1998年の+1.28℃を0.93℃上回り、統計を開始した1898年以降の10月として1位の高温となった。

* 降水量は、沖縄・奄美でかなり多く、東・西日本日本海側と西日本太平洋側で多かった

降水量は、台風や湿った空気の影響を受けやすかった沖縄・奄美でかなり多く、低気圧や秋雨前線の影響を受けやすかった東・西日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。

* 日照時間は、北日本日本海側でかなり多く、西日本日本海側でかなり少なかった

日照時間は、高気圧に覆われやすかった北日本日本海側でかなり多かった。一方、低気圧や秋雨前線の影響を受けやすかった西日本日本海側でかなり少なく、東・西日本太平洋側で少なかった。また、台風や湿った空気の影響を受けやすかった沖縄・奄美でも少なかった。

概況

偏西風が平年より北に偏って流れたため、日本付近は暖かい空気に覆われた。また、日本の東で高気圧が強かったため、日本付近には南から暖かい空気が流れ込みやすかった。これらのことから、気温は全国的にかなり高く、月平均気温偏差は北日本で+1.9℃、東日本で+2.6℃、西日本で+2.6℃となり、1946年の統計開始以降、10月として1位の高温となった。全国153の気象台等のうち139地点で、月平均気温が10月として歴代1位の高温となった(1地点のタイ記録を含む)。また、地球温暖化等の長期的な気候変動の監視に用いる15地点の観測値による日本の月平均気温(*)の基準値からの偏差は+2.21℃となり、統計を開始した1898年以降、これまでに最も高かった1998年の+1.28℃を0.93℃上回り10月として1位の高温となった。なお、気温が全国的にかなり高い状態は、7月から持続している。

移動性高気圧や前線を伴った低気圧が日本付近を交互に通過した。このため、北・東・西日本では天気は数日の周期で変わったが、東・西日本では上旬と下旬を中心に低気圧や秋雨前線の影響を受けやすかった。一方、北日本日本海側では中旬と下旬を中心に移動性高気圧に覆われやすかった。沖縄・奄美も天気は数日の周期で変わったが、上旬と下旬を中心に台風や湿った空気の影響を受けやすかった。これらのことから、月降水量は沖縄・奄美でかなり多く、東・西日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。月間日照時間は北日本日本海側でかなり多かった一方、西日本日本海側でかなり少なく、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で少なかった。

(*)都市化による影響が比較的小さく、長期間の観測が行われている地点から、地域的に偏りなく分布するように選定した15地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、宮崎、多度津、名瀬、石垣島)の気象台等の観測値を用いた統計。

平均気温は、北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。

降水量は、沖縄・奄美ではかなり多かった。東日本日本海側、西日本日本海側、西日本太平洋側では多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本太平洋側では平年並だった。

日照時間は、北日本日本海側ではかなり多かった。西日本日本海側ではかなり少なかった。東日本太平洋側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では少なかった。北日本太平洋側、東日本日本海側では平年並だった。

気温、降水量、日照時間等の気候統計値

平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布 地域平均平年差、地域平均平年比の1位の値の更新状況
(図表)気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布

* 平均気温の高い記録を更新した地域

北日本、東日本、西日本、北海道地方、東北地方、関東甲信地方、北陸地方、東海地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州北部地方、九州南部・奄美地方、九州南部

奄美地方(タイ)

* 平均気温の低い記録を更新した地域

なし

* 降水量の多い記録を更新した地域

なし

* 降水量の少ない記録を更新した地域

なし

* 日照時間の多い記録を更新した地域

なし

* 日照時間の少ない記録を更新した地域

なし

旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過 平均気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均)
(図表)旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過
この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1
(図表)気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均) この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1

旬別の天候経過

上旬

低気圧や前線が東・西日本を中心に通過することが多く、沖縄・奄美は旬のはじめに台風第18号や湿った空気の影響を受けた。旬降水量は東日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美でかなり多く、東日本太平洋側と西日本日本海側で多かった。旬間日照時間は、北日本太平洋側と西日本日本海側でかなり少なく、北・東日本日本海側、東・西日本太平洋側、沖縄・奄美で少なかった。旬平均気温は、北日本を中心に暖かい空気に覆われやすかったため、北日本でかなり高く、東・西日本と沖縄・奄美で高かった。

旬平均気温は、北日本ではかなり高かった。東日本、西日本、沖縄・奄美では高かった。

旬降水量は、東日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美ではかなり多かった。東日本太平洋側、西日本日本海側では多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側では平年並だった。

旬間日照時間は、北日本太平洋側、西日本日本海側ではかなり少なかった。北日本日本海側、東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では少なかった。

中旬

北日本と西日本日本海側では旬の終わりに低気圧や前線の影響を受けたものの、北・東日本と沖縄・奄美では高気圧に覆われやすかった。旬降水量は北・西日本日本海側と北日本太平洋側で多かった一方、東日本太平洋側と沖縄・奄美で少なかった。旬間日照時間は沖縄・奄美でかなり多く、北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側で多かった一方、西日本日本海側で少なかった。旬平均気温は全国的に暖かい空気に覆われやすく、全国914地点のうち100地点以上で真夏日となった日もあるなど、全国でかなり高かった。旬平均気温平年差は東日本で+2.9℃、西日本で+3.1℃となり、いずれも1946年の統計開始以降、10月中旬として1位の高温となった。

旬平均気温は、北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。

旬降水量は、北日本日本海側、北日本太平洋側、西日本日本海側では多かった。東日本太平洋側、沖縄・奄美では少なかった。東日本日本海側、西日本太平洋側では平年並だった。

旬間日照時間は、沖縄・奄美ではかなり多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側、東日本太平洋側では多かった。西日本日本海側では少なかった。西日本太平洋側では平年並だった。

下旬

北日本では、高気圧や低気圧が交互に通過したため天気は数日の周期で変わったが、移動性高気圧に覆われやすかったため、旬間日照時間が多かった。東・西日本では、期間前半は天気は数日の周期で変わったが、期間後半は秋雨前線の影響を受けて曇りや雨の日が多く、旬降水量が多く旬間日照時間が少ない所が多かった。22日には、高気圧の縁を回って南から湿った空気が流れ込んだ宮崎県で線状降水帯が発生するなど、西日本では記録的な大雨となった所もあった。沖縄・奄美では、期間の半ばに台風第20号や前線の影響を、また期間末には台風第21号の影響を受けたため、旬降水量がかなり多くなった。全国的に暖かい空気に覆われやすく、また、日本海の低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだ日もあったため旬平均気温はかなり高かった。旬平均気温偏差は北日本で+2.2℃、東日本で+2.8℃、西日本で+3.2℃、沖縄・奄美で+2.8℃となり、いずれも1946年の統計開始以降、10月下旬として1位の高温となった。

旬平均気温は、北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。

旬降水量は、沖縄・奄美ではかなり多かった。東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側では多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側では平年並だった。

旬間日照時間は、北日本日本海側、北日本太平洋側では多かった。東日本太平洋側、西日本太平洋側ではかなり少なかった。西日本日本海側、沖縄・奄美では少なかった。東日本日本海側では平年並だった。

※ 下旬の循環場の図は翌月数日経ってから掲載します。掲載までお待ちください。

循環場

500hPa高度場等の特徴

500hPa高度では、日本付近からアリューシャンの南にかけて顕著に高く、偏西風は平年より北に偏って流れやすかった。このため、日本付近は暖かい空気に覆われやすかった。海面気圧では、日本の東で高気圧が強く、日本付近には暖かい空気が流れ込みやすかった。北日本は正偏差で移動性高気圧に覆われやすかった。一方、日本の東の高気圧と華北付近の高気圧の間の東・西日本付近は気圧の谷となり、東・西日本では、低気圧や秋雨前線の影響を受けやすかった。また、東シナ海は負偏差で、沖縄・奄美は台風や湿った空気の影響を受けやすかった。

月別値で作成した図を表示しています。 (※2、翌月はじめに暫定版として作成・掲載している日別値の図はこちら 翌月はじめに暫定的に日別値で作成した図で、月末までのデータを含まない事があります。6日頃に月別値で作成した図を掲載します。(月別値の図は掲載後にこちらで確認できます)
2024年10月平均500hPa高度・偏差の分布(単位:m) 2024年10月平均850hPa気温・偏差の分布(単位:℃)
2024年10月平均海面気圧・偏差の分布(単位:hPa) 2024年10月平均外向き長波放射量の偏差の分布(単位:W/m2
外向き長波放射量(OLR)の図は翌月数日経ってから作成しています。
※ 米国海洋大気庁(NOAA)が作成する外向き長波放射量(OLR)のデータが欠損により利用できない場合には、OLR偏差図は描画されません。

資料

その他の事項(記録など)

台風の発生(速報値、日本時間)

第19号(9日)、第20号(22日)、第21号(25日)

台風の接近(速報値)

台風第17号(東海地方、関東地方・甲信地方、伊豆諸島・小笠原諸島、東北地方)

台風第21号(沖縄地方)

台風の上陸(速報値)

なし





: 特に作成日の言及がない図は、本資料を掲載した月初時点に作成したものです。

※1 : リンク先の図表類は、平年値更新時などに再作成されることがあります。リンク先にある平年値期間などの記述をご確認ください。

※2 : こちらに掲載しているものと同じ図を表示しています。平年値が変わった場合などには図を再作成することがあるため、解説内容と齟齬が生じることもあります。

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