2024年11月の天候

2024年12月2日 掲載

2024年12月16日 その他の事項に台風を追記

2024年11月の特徴

* 気温は、西日本と沖縄・奄美でかなり高かった

気温は、中旬を中心に寒気の影響を受けにくかった西日本と沖縄・奄美でかなり高かった。

* 降水量は、東・西日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多かった

降水量は、低気圧や前線の影響を受ける時期のあった東・西日本日本海側と、台風や湿った空気の影響を受けやすかった沖縄・奄美でかなり多かった。西日本日本海側では1946年の統計開始以降、11月として1位の多雨となった。

* 日照時間は、北・東日本日本海側と北日本太平洋側で多かった一方、沖縄・奄美で少なかった

日照時間は、高気圧に覆われやすかった北・東日本日本海側と北日本太平洋側で多かった。一方、台風や湿った空気の影響を受けやすかった沖縄・奄美で少なかった。

概況

北日本では上旬後半に、沖縄・奄美では下旬後半に寒気の影響を受けたものの、中旬は全国的に寒気の影響を受けにくく、沖縄・奄美では暖かい空気が流れ込んだ。このため、月平均気温は西日本と沖縄・奄美でかなり高く、北・東日本で高かった。上旬はじめは西日本日本海側を中心に台風第21号から変わった低気圧や前線の影響を受け、中旬は沖縄・奄美で台風や湿った空気の影響を受けやすく、下旬は東日本日本海側を中心に低気圧の影響を受けた。一方、中旬以降は北日本を中心に高気圧に覆われやすかった。このため、月降水量は東・西日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多く、東・西日本太平洋側で多かった。月降水量平年比は西日本日本海側で240%となり、1946年の統計開始以降、11月として1位の多雨となった。月間日照時間は北・東日本日本海側と北日本太平洋側で多かった一方、沖縄・奄美で少なかった。

平均気温は、西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。北日本、東日本では高かった。

降水量は、東日本日本海側、西日本日本海側、沖縄・奄美ではかなり多かった。東日本太平洋側、西日本太平洋側では多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側では平年並だった。

日照時間は、北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側では多かった。沖縄・奄美では少なかった。東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側では平年並だった。

気温、降水量、日照時間等の気候統計値

平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布 地域平均平年差、地域平均平年比の1位の値の更新状況
(図表)気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布

* 平均気温の高い記録を更新した地域

なし

* 平均気温の低い記録を更新した地域

なし

* 降水量の多い記録を更新した地域

西日本日本海側、中国地方、山陰、山陽、九州北部地方

* 降水量の少ない記録を更新した地域

なし

* 日照時間の多い記録を更新した地域

なし

* 日照時間の少ない記録を更新した地域

なし

旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過 平均気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均)
(図表)旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過
この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1
(図表)気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均) この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1

旬別の天候経過

上旬

北日本では天気は数日の周期で変わったが、期間後半には一時的に西高東低の気圧配置になったため、日本海側では曇りや雨または雪の日が多く、太平洋側では晴れの日が多かった。北日本日本海側の旬降水量は多く旬間日照時間は少なかった一方、北日本太平洋側の旬間日照時間は多かった。北海道では平地でも積雪となった所があった。東・西日本では天気は数日の周期で変わったが、期間はじめには、台風第21号から変わった低気圧と前線の影響を受けてこの時期としては記録的な大雨となった所もあった。このため、東・西日本太平洋側と西日本日本海側では、旬降水量がかなり多かった。西日本日本海側では旬降水量平年比が536%となり、1946年の統計開始以降、11月上旬として1位の多雨となった。寒気の影響が弱かった東日本日本海側では旬間日照期間が多かった。台風第21号と第22号や湿った空気の影響を受けた沖縄・奄美では、旬降水量が多く旬間日照時間が少なかった。期間末には高気圧の南縁を回る湿った空気などの影響を受けて記録的な大雨となった所もあった。偏西風が平年より北偏して流れやすく寒気の影響が弱かったため、旬平均気温は沖縄・奄美でかなり高く、東・西日本で高かった。沖縄・奄美では、旬平均気温平年差が+1.9℃となり1946年の統計開始以降、11月上旬として1位タイの高温となった。期間後半に寒気の影響を受けた北日本では平年並となった。

旬平均気温は、沖縄・奄美ではかなり高かった。東日本、西日本では高かった。北日本では平年並だった。

旬降水量は、東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側ではかなり多かった。北日本日本海側、東日本日本海側、沖縄・奄美では多かった。北日本太平洋側では平年並だった。

旬間日照時間は、北日本太平洋側、東日本日本海側では多かった。北日本日本海側、沖縄・奄美では少なかった。東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側では平年並だった。

中旬

北・東・西日本では天気は数日の周期で変わったが、北日本と東・西日本日本海側は高気圧に覆われやすかった一方、東日本太平洋側は高気圧の南側に位置し、気圧の谷の影響を受けやすかった。このため、旬降水量は東・西日本日本海側でかなり少なく、北日本日本海側と北・西日本太平洋側で少なかった。また、旬間日照時間は北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多く、東・西日本日本海側で多かった一方、東日本太平洋側では少なかった。期間末には、低気圧通過後に一時的に西高東低の気圧配置となって寒気が流入し、北日本と東日本日本海側では初雪となった所もあった。沖縄・奄美は、台風第25号や湿った空気の影響を受けやすかったため、旬降水量がかなり多く、旬間日照時間が少なかった。寒気の南下が弱く、全国的に平年に比べ暖かい空気に覆われた。加えて、沖縄・奄美には暖かく湿った空気が流れ込みやすかった。このため、旬平均気温は、東・西日本と沖縄・奄美でかなり高く、期間末に寒気の影響を受けた北日本でも高かった。特に、沖縄・奄美では、旬平均気温平年差が+2.6℃となり1946年の統計開始以降、11月中旬として1位の高温となった。

旬平均気温は、東日本、西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。北日本では高かった。

旬降水量は、沖縄・奄美ではかなり多かった。東日本日本海側、西日本日本海側ではかなり少なかった。北日本日本海側、北日本太平洋側、西日本太平洋側では少なかった。東日本太平洋側では平年並だった。

旬間日照時間は、北日本日本海側、北日本太平洋側ではかなり多かった。東日本日本海側、西日本日本海側では多かった。東日本太平洋側、沖縄・奄美では少なかった。西日本太平洋側では平年並だった。

下旬

天気は数日の周期で変わり、期間のはじめと終わりは東日本日本海側を中心に日本海を進む低気圧や前線の影響を受けた。期間の中頃は北日本を中心に高気圧に覆われやすかったが、本州南岸から三陸沖を進む低気圧の影響を受けた日もあった。沖縄・奄美は大陸から張り出す高気圧に覆われることが多かった。このため、旬降水量は東日本日本海側でかなり多く、北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側で多かった一方、沖縄・奄美では少なかった。旬間日照時間は北日本日本海側と北・東日本太平洋側で多かった一方、東日本日本海側で少なかった。期間の後半は沖縄・奄美を中心に寒気の影響を受けた一方、北日本を中心に南から暖かい空気が流れ込んだ。このため、旬平均気温は北日本で高かった一方、沖縄・奄美で低かった。

旬平均気温は、北日本では高かった。沖縄・奄美では低かった。東日本、西日本では平年並だった。

旬降水量は、東日本日本海側ではかなり多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側では多かった。沖縄・奄美では少なかった。

旬間日照時間は、北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本太平洋側では多かった。東日本日本海側では少なかった。西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。

※ 下旬の循環場の図は翌月数日経ってから掲載します。掲載までお待ちください。

循環場

500hPa高度場等の特徴

500hPa高度では、東シベリア付近を中心に平年より高く、偏西風は中旬を中心に平年より北に偏って流れやすかった。このため、日本付近は寒気の影響を受けにくかった。海面気圧では、オホーツク海を中心に平年より高く、北日本は高気圧に覆われやすかった。一方、東日本から沖縄・奄美にかけては平年より低く、東・西日本は低気圧や前線の影響を受ける時期があり、沖縄・奄美は台風や湿った空気の影響を受けやすかった。

月別値で作成した図を表示しています。 (※2、翌月はじめに暫定版として作成・掲載している日別値の図はこちら 翌月はじめに暫定的に日別値で作成した図で、月末までのデータを含まない事があります。6日頃に月別値で作成した図を掲載します。(月別値の図は掲載後にこちらで確認できます)
2024年11月平均500hPa高度・偏差の分布(単位:m) 2024年11月平均850hPa気温・偏差の分布(単位:℃)
2024年11月平均海面気圧・偏差の分布(単位:hPa) 2024年11月平均外向き長波放射量の偏差の分布(単位:W/m2
外向き長波放射量(OLR)の図は翌月数日経ってから作成しています。
※ 米国海洋大気庁(NOAA)が作成する外向き長波放射量(OLR)のデータが欠損により利用できない場合には、OLR偏差図は描画されません。

資料

その他の事項(記録など)

台風の発生(速報値、日本時間):

第22号(4日)、第23号(9日)、第24号(9日)、第25号(12日)

台風の接近(速報値):

第21号(沖縄地方)

台風の上陸(速報値、日本時間):

なし





: 特に作成日の言及がない図は、本資料を掲載した月初時点に作成したものです。

※1 : リンク先の図表類は、平年値更新時などに再作成されることがあります。リンク先にある平年値期間などの記述をご確認ください。

※2 : こちらに掲載しているものと同じ図を表示しています。平年値が変わった場合などには図を再作成することがあるため、解説内容と齟齬が生じることもあります。

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