2025年9月の天候
2025年10月 1日 掲載
2025年9月の特徴
* 気温は、全国的にかなり高かった
気温は、暖かい空気に覆われやすく、暖かい空気が流れ込んだ時期もあったため、全国的にかなり高かった。太平洋高気圧に覆われやすかった沖縄・奄美では晴れた日も多く、1946年の統計開始以降、9月として1位の高温となった。
* 降水量は、沖縄・奄美でかなり少なかった
降水量は、太平洋高気圧に覆われやすかった沖縄・奄美ではかなり少なかった。
* 日照時間は、北日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり多かった
日照時間は、高気圧に覆われて晴れた日が多かった北日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり多かった。
概況
日本付近では偏西風が平年より北に偏って流れたため、全国的に暖かい空気に覆われた。また、北・東・西日本では低気圧や前線に向かって暖かい空気が流れ込んだ時期もあった。このため、月平均気温は全国的にかなり高かった。太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かった沖縄・奄美では、月平均気温平年差が+1.6℃となり、1946年の統計開始以降、9月として1位の高温となった。
北・東・西日本では、天気は数日の周期で変わったが、上旬は東・西日本を中心に、下旬は北・東日本を中心に高気圧に覆われて晴れた日が多かった。このため、月間日照時間は、北日本太平洋側ではかなり多く、北・東日本日本海側と東・西日本太平洋側で多かった。上旬前半は台風第15号の影響で、西・東日本太平洋側では大雨となった。上旬後半から中旬はじめにかけて、本州付近に停滞した前線の影響で九州北部を中心に記録的な大雨となった所があった。その後も本州付近を低気圧や前線が数日の周期で通過し、北海道地方や日本海側を中心に大雨となった所があった。このため、月降水量は、北・東日本日本海側と北日本太平洋側では多かったが、移動性高気圧に覆われやすかった東日本太平洋側では少なかった。太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かった沖縄・奄美では、月降水量はかなり少なく、月間日照時間はかなり多かった。
降水量は、北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側では多かった。沖縄・奄美ではかなり少なかった。東日本太平洋側では少なかった。西日本日本海側、西日本太平洋側では平年並だった。
日照時間は、北日本太平洋側、沖縄・奄美ではかなり多かった。北日本日本海側、東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本太平洋側では多かった。西日本日本海側では平年並だった。
気温、降水量、日照時間等の気候統計値
平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布 | 地域平均平年差、地域平均平年比の1位の値の更新状況 |
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* 平均気温の高い記録を更新した地域沖縄・奄美、九州南部・奄美地方、九州南部、奄美地方、沖縄地方
* 平均気温の低い記録を更新した地域なし * 降水量の多い記録を更新した地域なし * 降水量の少ない記録を更新した地域なし * 日照時間の多い記録を更新した地域なし * 日照時間の少ない記録を更新した地域なし |
旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過 | 平均気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均) |
![]() この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1) |
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旬別の天候経過
上旬
北・東・西日本は、天気は数日の周期で変わったが、東・西日本では高気圧に覆われて晴れた日が多く、東日本太平洋側では旬間日照時間がかなり多かった。一方、北・東日本日本海側を中心に、前線や湿った空気の影響で大雨となった所があった。また、4日から5日にかけては台風第15号の影響で、西・東日本太平洋側では大雨となり、宮崎県、静岡県、神奈川県では線状降水帯が発生した。静岡県などでは竜巻が発生した。上旬の終わりは本州付近に前線が停滞し、長崎県と熊本県で線状降水帯が発生した。沖縄・奄美は、太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かった。旬平均気温は、暖かい空気に覆われやすく、低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ日もあったため、全国的にかなり高かった。旬平均気温平年差は、東日本で+2.9℃、西日本で+2.6℃、沖縄・奄美で+1.1℃となり、1946年の統計開始以降9月上旬として、東・西日本では1位、沖縄・奄美では1位タイの高温となった。
旬降水量は、北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側では多かった。沖縄・奄美では少なかった。
旬間日照時間は、東日本太平洋側ではかなり多かった。東日本日本海側、西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側では平年並だった。
中旬
北・東・西日本は、天気は数日の周期で変わったが、本州付近に前線が停滞しやすく、前線に向かって湿った空気が流れ込み、日本海側を中心に大雨となった所があった。このため、旬降水量は東日本日本海側でかなり多かった。一方、沖縄・奄美は、太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多く、旬間日照時間はかなり多く、旬降水量は少なかった。旬平均気温は、全国的に暖かい空気に覆われやすく、北・東・西日本では低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ日もあり、沖縄・奄美では晴れて気温が上昇したため、全国的にかなり高かった。沖縄・奄美では旬平均気温平年差が+1.5℃となり、1946年の統計開始以降9月中旬として1位の高温となった。
旬降水量は、東日本日本海側ではかなり多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側、西日本日本海側では多かった。沖縄・奄美では少なかった。東日本太平洋側、西日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間は、沖縄・奄美ではかなり多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側では多かった。東日本太平洋側、西日本日本海側では少なかった。東日本日本海側、西日本太平洋側では平年並だった。
下旬
北・東日本を中心に高気圧に覆われて晴れた所が多かった。このため、旬降水量は、東日本太平洋側でかなり少なく、西日本日本海側で少なかった。また、旬間日照時間は、北日本日本海側と北・東日本太平洋側でかなり多く、東日本日本海側で多かった。一方、本州付近を低気圧や前線が数日の周期で通過し、21日には北海道で線状降水帯が発生し大雨となった所があった。西日本では期間前半に高気圧の周辺の湿った空気の影響を、後半は前線の影響を受けやすかった。このため、西日本日本海側と西日本太平洋側の旬間日照時間は少なかった。沖縄・奄美では、太平洋高気圧に覆われやすく、旬間日照時間はかなり多く、旬降水量は少なかった。旬平均気温は、暖かい空気に覆われやすく、低気圧や前線に向かって暖かい空気が流れ込んだ日もあったため、全国的にかなり高かった。晴れた日が多かった沖縄・奄美の旬平均気温平年差は +2.2℃となり、1946年の統計開始以降9月下旬として1位の高温となった。
旬降水量は、東日本太平洋側ではかなり少なかった。西日本日本海側、沖縄・奄美では少なかった。北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側、西日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間は、北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本太平洋側、沖縄・奄美ではかなり多かった。東日本日本海側では多かった。西日本日本海側、西日本太平洋側では少なかった。
循環場
500hPa高度場等の特徴
亜熱帯ジェット気流は、ユーラシア大陸から日本付近にかけてやや北に偏って流れ、北日本付近では平年より強かった。このため、500hPa高度は日本付近で高く、全国的に暖かい空気に覆われやすく、また、北・東日本日本海側を中心に低気圧や前線の活動が活発で影響を受けやすかった。海面気圧では、日本の南で太平洋高気圧が強い一方、中国東北区からオホーツク海付近にかけて低圧偏差域が広がり、北・東・西日本には暖かく湿った空気が流れ込みやすく、停滞前線の影響を受けた時期もあった。本州付近は平年より気圧が高く、移動性高気圧に覆われやすかった。また、沖縄・奄美を中心に、太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かった。
月別値で作成した図を表示しています。 (※2、翌月はじめに暫定版として作成・掲載している日別値の図はこちら) 翌月はじめに暫定的に日別値で作成した図で、月末までのデータを含まない事があります。6日頃に月別値で作成した図を掲載します。(月別値の図は掲載後にこちらで確認できます) | |
2025年9月平均500hPa高度・偏差の分布(単位:m) | 2025年9月平均850hPa気温・偏差の分布(単位:℃) |
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2025年9月平均海面気圧・偏差の分布(単位:hPa) | 2025年9月平均外向き長波放射量の偏差の分布(単位:W/m2) |
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外向き長波放射量(OLR)の図は翌月数日経ってから作成しています。 |
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※ 米国海洋大気庁(NOAA)が作成する外向き長波放射量(OLR)のデータが欠損により利用できない場合には、OLR偏差図は描画されません。 |
資料
※ : 特に作成日の言及がない図は、本資料を掲載した月初時点に作成したものです。
※1 : リンク先の図表類は、平年値更新時などに再作成されることがあります。リンク先にある平年値期間などの記述をご確認ください。
※2 : こちらに掲載しているものと同じ図を表示しています。平年値が変わった場合などには図を再作成することがあるため、解説内容と齟齬が生じることもあります。