日データの計算方法について   (世界の天候データツール(ClimatView 日別値))

 世界の天候データツール(ClimatView日別値)で表示される気温や降水量のデータは、国際連合の専門機関である世界気象機関(WMO)に加盟している各国の気象機関から毎日数回通報される「地上実況気象通報(SYNOP)」に基づいています。SYNOPでは各通報時刻における観測値や、通報時刻までの数時間に渡る瞬間値や積算値が通報されており、気象庁では、主要時刻(00, 06, 12, 18UTCに通報)、及び中間時刻(03, 09, 15, 21UTCに通報)に通報されるSYNOPの値を用いて、世界協定時(UTC)の0時を1日の区切りとして日別データを作成しています。日平均気温、日最高気温、日最低気温、日降水量の具体的な作成方法は以下の通りです。

(注意)日本国内観測地点のデータについて

 世界の天候データツール(ClimatView日別値)で表示される日本国内観測地点の気温、降水量の値は、世界各地の日別値算出方法とは異なり、気象観測統計指針に基づき日本標準時の24時(UTCの15時)を1日の区切りとして、毎正時の観測値から計算されています。観測日から数日後にデータの見直しがあった場合には、その修正が反映されないことがあり、また掲載している気象データは過去にさかのぼって修正する場合があります。国内のデータを引用する場合には、過去の気象データ検索過去の気象データ・ダウンロードをご利用ください。

日平均気温

     1日4回の主要時刻における気温の通報値を平均して求めています。 なお、この方法で計算できない場合は、日最高・最低気温を平均して計算しています。
     中間時刻の通報値も合わせて使う方がより正確な日平均気温を計算できますが、中間時刻の通報がある国とない国の間で計算値の系統的な違いが発生するのを防ぐために、主要時刻の通報値のみ使用しています。

日最高・最低気温

     主要時刻、及び中間時刻には、数時間前から通報時刻までの最高・最低気温が通報されており、この値を用いて日最高・最低気温を求めています。ただし、これらは1日の区切りを00UTCとした最高・最低気温ではないため、00UTCで1日を区切った場合の日最高・最低気温になるように、SYNOP通報規則(何時の通報で前何時間の最高・最低気温を通報するか)、および現地時刻と世界協定時との時差を考慮して、何時の通報値を日最高・最低気温として扱うか、地域や国ごとに決めています。
     例えば中国の通報規則では「最低気温は06UTCに前24時間の最低気温を通報すること」になっており、通常日最低気温が出現する現地時刻の深夜から早朝は、15~21UTC頃に相当します。 06UTCで通報された最低気温はこの間に観測された前日の最低気温を反映していると考えられることから、中国では06UTCで通報される最低気温の値を前日の日最低気温の値として採用しています。
     00UTCが通常日最高・最低気温が発生する時刻と近い地点、および急激な気象の変化等によって、通常とは異なる時刻で日最高・最低気温が発生した地点では、実際と異なる値が日最高・最低気温として採用されたりする場合があります。

日降水量

     主要時刻と中間時刻に通報される、通報時刻までの「過去数時間にわたる総降水量」を使って求めています。 地域や国、通報時刻によって、総降水量の対象となる期間が異なるため、世界協定時0時で1日を区切った場合の日降水量になるように、各時刻での通報値を加算・減算して算出しています。
     例えば、00UTCで前6時間降水量、06UTCで前24時間降水量、18UTCで前12時間降水量を通報する地点の場合は、当日、前日、翌日の各時刻の通報値を使って次のように算出します。

    対象日00~24UTCまでの24時間降水量=
  •  翌日00UTC(当日24UTC)の通報(当日18~当日24UTCまでの降水量)
  • +当日18UTCの通報(当日06~当日18UTCまでの降水量)
  • +当日06UTCの通報(前日06~当日06UTCまでの降水量)
  • −当日00UTCの通報(前日18~当日00UTCまでの降水量)
  • −前日18UTCの通報(前日06~前日18UTCまでの降水量)
  •  欠測等により、24UTCまでの24時間降水量が計算できない場合には、 当日21UTC、翌日03UTC、当日18UTC、翌日06UTC、当日15UTC、翌日09UTC、当日12UTCの優先順位で 1日の区切りを変更して24時間降水量を計算し、日降水量としています。


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