ヒートアイランド現象

ヒートアイランド現象の要因は何ですか?

(1)土地利用の変化の影響(植生域の縮小と人工被覆域の拡大)

     草地、森林、水田、水面等の植生域は、アスファルトやコンクリート等による人工被覆域と比べて保水力が高いことから、水分の蒸発による熱の消費が多く、地表面から大気へ与えられる熱が少なくなるため、主に日中の気温の上昇が抑えられます。
     人工被覆域は、植生域と比べて日射による熱の蓄積が多く、また、暖まりにくく冷えにくい性質がある(熱容量が大きい)ことから、日中に蓄積した熱を夜間になっても保持し、大気へ放出することになるため、夜間の気温の低下を妨げることになります。
     都市で建築物の高層化及び高密度化が進むと、天空率が低下し地表面からの放射冷却が弱まること、また、風通しが悪くなり地表面に熱がこもりやすくなることにより、さらに気温の低下を妨げることになります。

(2)人工排熱(人間活動で生じる熱)の影響

     都市部の局所的な高温の要因と考えられます。都市の多様な産業活動や社会活動に伴って熱が排出され、特に都心部で人口が集中する地域では、昼間の排熱量は局所的に 100W/m2 (中緯度での真夏の太陽南中時における全天日射量の約 10%) を超えると見積もられています。
    

図1 ヒートアイランド現象の概念図
    

 気象庁では、これらヒートアイランド現象の要因(言い換えれば、都市化の影響)による都市での気温上昇量を見積もるために、「都市気候モデル」と呼ばれる数値モデルを利用しています。下の図2のように、都市の地表面状態や人工排熱を考慮した場合のシミュレーションを「都市あり実験」、また、都市の影響を除去した場合(都市域の地表面状態を草地に置き換え、かつ、人工排熱をゼロにすることで、仮想的に人間が都市を建設する以前の状態に戻す)のシミュレーションを「都市なし実験」として、二つの実験を行い、「都市あり実験」の気温から「都市なし実験」の気温を引いたものを都市化の影響とみなしています。

   

    図2 関東地方における2013年8月の月平均気温の都市あり実験結果(左図)、都市なし実験結果(中央図)、都市化の影響による月平均気温の変化:「都市あり実験」と「都市なし実験」の差(右図)
    

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