ヒートアイランド現象

都市の気温はどのくらい上昇しているのですか?

 全国の各都市及び都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点平均 (注1) の都市化率 (注2) と年、季節平均した平均気温、日最高気温、日最低気温の長期変化傾向について、最新の解析結果を参照ください。(⇨ヒートアイランド現象:観測データ編 へ

 各地点の気温の変化率を比較すると、大都市における年平均気温の上昇率は、都市化の影響が小さい地点の値を上回っています。地点によって差があるものの、例えば年平均気温では、大都市の気温の上昇量は15地点平均の値を 0.4~1.7°C程度(1927~2023年の観測値から算出した100 年あたりの変化率)上回っています。気温の上昇率と周辺の都市化率の間には正の相関が見られます(下図)。
 また、日最低気温は平均気温、日最高気温より上昇率が大きい傾向が見られます。
 これらの都市において平均気温の上昇率を季節別に見ると、夏に最小となる都市が多く、最大となる季節には地域による違いも見られます。

    (注1)全国の地上気象観測地点の中から、観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するように選出した15地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、宮崎、多度津、名瀬、石垣島)の平均です。ただし、これらの観測点も都市化の影響が全くないわけではありません。

    (注2)都市化率:ここでは、平成28年度調査時において観測地点を中心とした半径7kmの円内における人工被覆率(平成28年度版 国土数値情報土地利用3次メッシュデータ(1kmメッシュデータ)における建物用地、道路、鉄道、その他の用地の占める割合)を都市化率と定義しています。



図 全国81地点における気温(平均気温、日最高気温、日最低気温)の年平均変化率と都市化率の相関図

統計期間は、国内主要都市の統計値が揃う1927年以降としている。直線は回帰直線を示しており、信頼水準90%以上で統計的に有意。


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