ヒートアイランド現象

都市化の影響は夏と冬で違いはあるのですか?

 関東地方における8月(2009~2014年平均)と1月(2010~2015年平均)の平均気温と都市化による影響の分布をそれぞれ図1、2に示します。これらをみると、都市化の影響は8月より1月の方が大きいことが分かります。

 これは、主に夜間のヒートアイランド現象の程度(強さ)の違いのためと考えられます。一般的に晴れて風の弱い日の夜間は、夏より冬の方が放射冷却が強くなり、このことが都市がない場合の地表付近の気温をより低下させるためです。

 また、都市化の影響による気温上昇量の大きい領域が、8月は内陸部に、1月は沿岸部を中心に現れていることが分かります。これは、それぞれの季節で卓越する天候や風(季節風)などが違うことが影響していると考えられます。


    図1 関東地方における6年(2009~2014年)平均した8月の月平均気温(左図)と都市化の影響による月平均気温の変化(右図)の分布図


    図2 関東地方における6年(2010~2015年)平均した1月の月平均気温(左図)と都市化の影響による月平均気温の変化(右図)の分布図
    都市化の影響による変化は、「都市あり実験」と「都市なし実験」の差を表している。

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