世界の年平均気温
世界の年平均気温偏差の経年変化(1891〜2023年)
2023年の世界の平均気温(陸域における地表付近の気温と海面水温の平均)の基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差は+0.54℃で、1891年の統計開始以降、2016年を上回り最も高い値となりました。世界の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり0.76℃の割合で上昇しています。特に1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっています。
細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均値、直線(赤):長期変化傾向。
基準値は1991〜2020年の30年平均値。
世界全体において正偏差が大きかった年(1〜5位)
①2023年(+0.54℃)、②2016年(+0.35℃)、③2020年(+0.34℃)、④2019年(+0.31℃)、⑤2015年(+0.30℃)
- 各年の数値
緯度経度5度の格子ごとに見た年平均気温の長期変化傾向
前節では、世界全体で平均した年平均気温に対する変化傾向を示しましたが、この節は、緯度経度ともに5度で区切った領域ごとに変化傾向を算出した結果を示します。1891〜2023年の期間における長期変化傾向を見ると、気温上昇は世界全体で起きていることが分かります。上昇の割合は世界で一様ではなく、海上より陸上の方が大きくなっています。特に、北半球の緯度の高い地域ほど大きくなっています。次の図は、観測データが広い範囲で揃い始める1979年以降の変化傾向について示しています。短期的な統計では地域的な変動が現れやすいために一部の格子で下降傾向がみられますが、ほとんどの地域で上昇傾向となっています。これらの2つの期間を比べると、1979〜2023年の変化傾向の方が多くの地域で大きいことから、世界的に近年の気温上昇が著しいことが分かります。
参考
- 陸域における地表付近の気温のみに基づく世界の年平均気温(1880年〜)
- 世界の気温の偏差の分布図
- 海面水温の長期変化傾向(全球平均)
- 大気中の温室効果ガス
- 年別の世界の天候の情報