太陽高度と紫外線
太陽から放射されて地上に達する紫外線の量は、太陽高度や上空のオゾン量、雲やエーロゾル(大気中の浮遊微粒子)などの影響を受けて変化します。なかでも太陽高度は特に大きく影響し、太陽高度が高いほど紫外線量は一般に多くなります。そのため、オゾン量や雲など、他の条件が同じなら、紫外線量は1日の中では正午頃、1年の中では夏至前後に最大となり、また国内では南の地方ほど多くなります。冬から夏に向かって日中の太陽高度が高くなるにつれ、UVインデックスが徐々に大きくなり、5月以降、関東地方はUVインデックスが8を超える日が増えてきます。
1日中快晴であった日の毎時のUVインデックスを、地上に届く日射エネルギーの合計量である全天日射量の日変化とともに示したのが下の図です。太陽高度の変化に対応して、ともに昼前後に最大になっているものの、全天日射量が朝から昼に向かってなだらかに増えていくのに比べ、UVインデックスは昼に近い時間帯に急激に大きくなっています。
UVインデックスと全天日射量がこのように異なる変化を示すのは、日射全体の中で、紫外線は地上に達するまでに通過する大気の距離が長いときほど、オゾンによる吸収や空気分子による散乱などで大きく減衰するからです。
つくば市(高層気象台)の2010年7月21日の例 太線は毎時のUVインデックス、 細線は同日の毎時の全天日射量(10秒間積算値)。 |
* 1日の中で太陽高度が最大となる時刻は、兵庫県明石市では12時頃ですが、これより東の地方ほど早く、西の地方ほど遅くなります。季節により変化しますが、通常札幌市では、11時35分頃、那覇市では12時30分頃です。