海面水温・海流(九州・山口県周辺海域)

平成30年4月27日発表
福岡管区気象台

診断(2018年4月下旬)

  • 九州・山口県周辺海域では、九州西方から奄美群島の北西にかけての海域と九州の東から奄美群島の東にかけての海域で、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。一方、屋久島西方から種子島近海にかけての海域では、4月中旬に引き続き海面水温が平年より1℃以上低い海域がみられます。
  • 黒潮は、トカラ海峡の北緯29.7度付近を東南東に流れ、都井岬に接岸して流れています。
  • 奄美群島の南東の北緯26.5度、東経131度付近に暖水渦がみられます。

九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(4月26日)
九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(4月26日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。九州・山口県周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

九州・山口県周辺海域では、九州西方から奄美群島の北西にかけての海域で、暖かく湿った空気の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。九州の東から奄美群島の東にかけての海域では、 平年より日射量が多く風が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。一方、屋久島西方から種子島近海にかけての海域では、4月中旬に引き続き海面水温が平年より1℃以上低い海域がみられます。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月の九州・山口県周辺海域の海面水温は、山陰沖西部から東シナ海北部にかけての海域では平年並か平年より高く、東シナ海南部と九州の東から奄美群島の東にかけての海域では、平年より高いか、かなり高いでしょう。

海流の実況と見通し

2018年4月下旬の九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.7度 / 東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸と接岸を繰り返す
九州・山口県周辺海域のその他の顕著な現象 奄美群島の南東の北緯26.5度、東経131度付近に暖水渦がみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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