海面水温・海流(近畿・中国・四国周辺海域)
平成27年7月31日発表
大阪管区気象台
診断(2015年7月下旬)
- 近畿・中国・四国周辺海域の海面水温は、日本海の一部を除いて、平年より低くなっています。
- 黒潮は、足摺岬の南を小蛇行して流れています。室戸岬では、期間中一時的に接岸しましたが7月下旬の終わり頃に離岸し、潮岬には接岸して流れています。
- 対馬暖流は、隠岐の西方を北東に流れ北緯38度、東経134度付近にある暖水域を時計回りに流れています。また、山陰沖東部から能登半島の西方にかけて、岸沿いの流れもみられます。
近畿・中国・四国周辺海域の海面水温平年差分布図(7月30日)
解説
海面水温
近畿・中国・四国周辺海域の海面水温は、台風の影響により海面水温が低下した状態が続いており、広い範囲で平年より低くなっています。
7月中旬に引き続き、日本海の東経132度より西では、海面水温が平年より1℃以上低い海域が見られます。
九州東方から足摺岬沖にかけて、黒潮の小蛇行が東進したため、海面水温が1℃以上低い海域は東に広がりました。
海面水温の今後の見通し
近畿・中国・四国周辺海域の海面水温は、向こう1か月、太平洋では、平年並か平年より低く、日本海では、平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況と見通し
2015年7月下旬の近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 離岸(小蛇行) 8月中旬に接岸する 室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 離岸 離岸 潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 8月中旬に離岸する 近畿・四国周辺海域のその他の顕著な現象 足摺の南の北緯32度、東経133度付近に冷水渦がみられる − 日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、東経134度付近からは、北緯38度、東経134度付近にある暖水域に沿って時計回りに流れている
山陰沖東部から能登半島の西方にかけて、岸沿いに流れがみられる− (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。