海面水温・海流(近畿・中国・四国周辺海域)

平成30年3月30日発表
大阪管区気象台

診断(2018年3月下旬)

  • 日本海では、海面水温が平年より低い海域が縮小し、海面水温が平年より高い海域がみられるようになりました。
  • 太平洋では、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。紀伊半島の南には海面水温が平年より低い海域が引き続きみられます。
  • 黒潮は紀伊半島の南から東海沖で大蛇行しています。
  • 黒潮は足摺岬、室戸岬および潮岬で離岸して流れています。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北から東南東に流れ、山陰沖東部から若狭湾沖を北東に流れ、能登半島の西を北に流れています。

近畿・中国・四国周辺海域の海面水温平年差分布図(3月29日)
近畿・中国・四国周辺海域の海面水温平年差分布図(3月29日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。近畿・中国・四国周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

日本海では、暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年より低い海域が縮小し、海面水温が平年より高い海域がみられるようになりました。

太平洋では、平年より日射量が多く、風が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。黒潮の大蛇行の影響で、紀伊半島の南には海面水温が平年より低い海域が引き続きみられます。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、近畿・中国・四国周辺海域の海面水温は、日本海では、平年並でしょう。太平洋では、四国沖は平年よりかなり高く、紀伊半島の南は平年より低いでしょう。

海流の実況と見通し

2018年3月下旬の近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸する
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
近畿・四国周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北の北緯36.5度、東経133度付近から東南東に流れ、山陰沖東部の北緯36度、東経134.5度付近から若狭湾沖を北東に流れ、能登半島の西の北緯37.5度、東経136度付近から北に流れている

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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