海面水温・海流（近畿・中国・四国周辺海域）
令和2年10月20日 大阪管区気象台発表
診断（2020年10月中旬）
- 日本海では、山陰沖東部から能登沖にかけては、引き続き海面水温が平年より高くなっています。山陰沖西部では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられなくなりました。
- 太平洋では、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。熊野灘では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。
- 黒潮は大蛇行しています。
- 黒潮は足摺岬、室戸岬および潮岬で離岸して流れています。
- 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐付近から東に流れたのち、山陰沖東部から能登沖を時計回りに流れています。
近畿・中国・四国周辺海域の海面水温平年差分布図（10月19日）
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。近畿・中国・四国周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
海面水温
日本海では、山陰沖東部から能登沖にかけては、引き続き海面水温が平年より高くなっています。山陰沖西部では、平年より風が弱く、日射量が多かったため、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられなくなりました。
太平洋では、台風第14号などの影響により、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。熊野灘では、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。
- 参考情報：台風による水温低下
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、近畿・中国・四国周辺の海面水温は、平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況と見通し
2020年10月中旬の近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表：近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注） 足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 近畿・四国周辺海域のその他の顕著な現象 四国沖の北緯31.5度、東経134度付近に冷水渦がみられる － 日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐付近の北緯36.5度、東経133度付近から東に流れ、山陰沖東部の東経134.5度付近から北西に流れ、北緯37.5度、東経133.5度付近から北東に流れている － （注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。