海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

平成25年8月20日発表
東京管区気象台

診断(2013年8月中旬)

  • 関東・東海周辺海域では、海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大し、平年より2℃以上高い海域も広くみられるようになりました。
  • 北陸周辺海域では、海面水温が平年より2℃以上高くなり、平年より3℃以上高い海域も広くみられるようになりました。
  • 黒潮は、潮岬沖を東に流れ、東経136.5度付近から南東に向かい、最南位置の北緯31.5度、東経138.5度付近から北東に流れ、八丈島付近で北北東に向きを変え、北緯34.5度、東経140.5 度付近から北東に向かい、房総半島では離岸して流れています。
  • 対馬暖流は、能登沖では北緯39度付近を東に流れています。また、東経135.5度付近には、北緯37度、東経135度付近を中心とする暖水域を回る南向きの流れもみられます。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(8月19日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(8月19日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

8月中旬の関東・東海・北陸周辺海域の海面水温は、一年で比較的高い時期にあたり平年ではほとんど変わりませんが、8月上旬と比べて1℃以上上昇し、全般に平年より高くなりました。これは、平年より日射量が多く、関東・東海周辺海域では風が弱かったこと、北陸周辺海域では南よりの暖かい風が流入したことなどの原因が加わったものと考えられます。

関東の東では、海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大し、平年より2℃以上高い海域も広くみられるようになりました。

関東の南東では、海面水温が平年より1℃以上高い海域がみられるようになりました。

東海沖から伊豆諸島近海にかけて、海面水温が平年より1℃以上高くなり、黒潮から波及した暖水による影響も加わり、海面水温が平年より2℃以上高い海域が広くみられるようになりました。

北陸周辺海域では、海面水温が平年より2℃以上高くなり、平年より3℃以上高い海域も広くみられるようになりました。

海面水温の今後の見通し

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2013年8月中旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 8月下旬から9月上旬にかけて一時接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31.5度、東経138.5度付近 北緯31.5度、東経139度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島付近 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯37度、東経144度付近(平年並)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 東海沖の北緯33度、東経138度付近に冷水域がみられる
関東の南東方の北緯32.5度、東経144度付近に冷水渦がみられる
日本海の海流 能登沖では北緯39度付近を東に流れている
東経135.5度付近には、北緯37度、東経135度付近を中心とする暖水域を回る南向きの流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

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