海面水温・海流（関東・東海・北陸周辺海域）
平成29年5月10日発表
東京管区気象台
診断（2017年5月上旬）
- 関東の東では、海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大しました。
- 伊豆諸島の東では、海面水温が平年より2℃以上低い海域がみられます。
- 東海沖では、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。
- 能登沖・若狭湾沖では、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。
- 黒潮は、潮岬で接岸して、北緯33度、東経136度付近から東南東に流れ、北緯32.5度、東経138度付近から北東に流れ、北緯33.5度、東経139.5度付近から南南東に流れ、八丈島付近を通って、北緯31度、東経140.5度付近から東北東に流れ、北緯31.5度、東経141.5度付近から北に流れ、北緯34度付近から北北東に流れ、北緯36.5度、東経142.5度付近から東に流れ、東経144度付近から南東に流れています。房総半島では離岸して流れています。
- 対馬暖流は、若狭湾沖を北に流れています。
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図（5月9日）
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。関東・東海・北陸周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
海面水温
関東の東では、平年より風が弱く、日射量が多かったため、海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大しました。
伊豆諸島の東では、海面水温が平年より2℃以上低い海域がみられます。八丈島付近では、黒潮流路の変化により、海面水温が平年より2℃以上低い海域が縮小しました。
東海沖では、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。
能登沖・若狭湾沖では、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。
海面水温の今後の見通し
関東の東、東海沖の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。
関東の南東の海面水温は、向こう1か月、平年並でしょう。
北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。
海流の実況と見通し
2017年5月上旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表：関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注） 潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 離岸と接岸を繰り返す 東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯31度、東経140.5度付近 北緯32.5度、東経139度付近 伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 八丈島付近 八丈島の南 房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※3） 北緯37.5度付近（平年より北）（経度は東経143.5度付近） － 関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない － 日本海の海流 対馬暖流は、若狭湾沖を北に流れている － （注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。