海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

平成30年6月29日発表
東京管区気象台

診断(2018年6月下旬)

  • 黒潮は大蛇行しています。
  • 房総沖、関東の南東、伊豆諸島北部から遠州灘にかけては、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。
  • 東海沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域が引き続きみられます。
  • 若狭湾沖では、海面水温が平年より高くなりました。
  • 黒潮は、潮岬で離岸して、北緯32度、東経136度付近から東南東に流れ、北緯31度、東経139度付近から北に流れ、北緯33度付近から北東に流れ、三宅島と八丈島の間を通って、北緯35度、東経140.5度付近から東北東に流れ、北緯35.5度、東経144度付近から東南東に流れています。房総半島では接岸して流れています。
  • 対馬暖流は、若狭湾沖の北緯36度、東経135.5度付近から北北東に流れ、能登半島の西の北緯37度、東経136度付近から、能登沖の暖水域に沿って時計回りに流れ、佐渡沖の北緯38.5度、東経138度付近から北北東に流れています。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(6月28日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(6月28日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。関東・東海・北陸周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

房総沖と関東の南東では、平年より日射量が多かったことや暖かい空気に覆われたことにより、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。

伊豆諸島北部から遠州灘にかけては、黒潮から分かれた暖水の影響で、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

東海沖では、黒潮の大蛇行に伴う冷水渦の影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域が引き続きみられます。

若狭湾沖では、平年より日射量が多かったことや暖かい空気に覆われたことにより、海面水温が平年より高くなりました。

海面水温の今後の見通し

関東の東と関東の南東、北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。

東海沖の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より低い見込みですが、伊豆諸島近海では平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2018年6月下旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31度、東経139度付近 北緯31度、東経138.5度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島と八丈島の間 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯36度付近(平年より南)(経度は東経144.5度付近)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 東海沖の北緯32.5度、東経137度付近に冷水渦がみられる
日本海の海流 対馬暖流は、若狭湾沖の北緯36度、東経135.5度付近から北北東に流れ、能登半島の西の北緯37度、東経136度付近から、能登沖の暖水域に沿って時計回りに流れ、佐渡沖の北緯38.5度、東経138度付近から北北東に流れている

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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