海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)
令和元年6月20日発表
東京管区気象台
診断(2019年6月中旬)
- 黒潮は大蛇行しています。
- 関東の東では、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。
- 関東の南東では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。
- 東海沖では、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。
- 北陸周辺海域では、海面水温がおおむね平年並になりました。
- 黒潮は、潮岬では離岸して流れています。北緯32度、東経135度付近から南南東に流れ、北緯30度、東経136.5度付近から東に流れ、東経137.5度付近から東北東に流れ、北緯30.5度、東経138.5度付近から北に流れ、北緯33.5度、東経138度付近から東に流れ、東経139度付近から北東に流れ、三宅島付近を通って、北緯36.5度、東経144度付近から南東に流れています。房総半島では接岸して流れています。
- 対馬暖流は、北緯38度、東経134.5度付近から能登沖を反時計回りに流れ、北緯38度、東経136.5度付近から北東に流れています。
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(6月19日)
解説
海面水温
関東の東では、黒潮系暖水の影響で、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。
関東の南東では、寒気の影響と平年より風が強かったことにより、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。
東海沖では、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響で、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。一方、黒潮の大蛇行に伴う冷水渦の影響で、東経138度付近より西では海面水温が平年よりかなり低い海域が引き続きみられます。
北陸周辺海域では、寒気の影響と平年より風が強かったことにより、海面水温が平年より高い海域が縮小し、おおむね平年並になりました。
海面水温の今後の見通し
関東の東と東海沖、北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。
関東の南東の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より低いでしょう。
海流の実況と見通し
2019年6月中旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 離岸 離岸 東海沖の黒潮流路の最南位置(※2) 北緯30度、東経137.5度付近 北緯31度、東経136.5度付近 伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1) 三宅島付近 三宅島付近 房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 接岸 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3) 北緯38度付近(平年より北)(経度は143度付近) - 関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 遠州灘から熊野灘にかけて暖水域が、東海沖の北緯31度、東経137.5度付近に冷水渦が、それぞれみられる - 日本海の海流 対馬暖流は、北緯38度、東経134.5度付近から能登沖を反時計回りに流れ、北緯38度、東経136.5度付近から北東に流れている - (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図:関東・東海・北陸周辺海域の深さ50mの海流分布図(6月19日)
- 参考図:関東・東海・北陸周辺海域の深さ100mの水温分布図(6月19日)
- 参考図:関東・東海・北陸周辺海域の深さ200mの水温分布図(6月19日)
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。