海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)
令和2年5月20日発表
東京管区気象台
診断(2020年5月中旬)
- 黒潮は大蛇行しています。
- 関東・東海周辺海域では、広い範囲で海面水温が平年より高くなりました。特に東海沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域が縮小しました。
- 北陸周辺海域では、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。
- 黒潮は、潮岬では離岸して流れています。北緯32度、東経135度付近から南南東に流れ、北緯30.5度、東経136度付近から南東に流れ、北緯29.5度、東経137.5度付近から東北東に流れ、北緯30度、東経138.5度付近から北北西に流れ、北緯33.5度、東経137度付近から東に流れ、東経139.5度付近から北東に流れ、三宅島と八丈島の間を通って、北緯37度、東経144度付近から南東に流れています。房総半島では離岸して流れています。
- 対馬暖流は、北緯38度、東経134度付近から南南東に流れ、北緯36.5度、東経134.5度付近から東に流れ、若狭湾沖の東経135.5度付近から北北東に流れています。
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(5月19日)
解説
海面水温
関東の東では、下層の暖水の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が引き続きみられます。房総沖では、海面水温が平年より低い海域が引き続きみられます。
伊豆諸島北部では、暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年より低い海域が縮小し、おおむね平年並になりました。
東海沖では、黒潮流路の変動に加え、暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域が縮小しました。また、紀伊半島の南では、黒潮の大蛇行に伴う冷水渦の影響で、海面水温が平年より低い海域が引き続きみられます。一方、東海沖の東経137度付近より東と熊野灘では、黒潮や黒潮から分かれた暖水と暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。
北陸周辺海域では、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。
海面水温の今後の見通し
関東の東と関東の南東、北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。
東海沖の海面水温は、向こう1か月、平年より高いか、かなり高いですが、紀伊半島の南では平年並か平年より低いでしょう。
海流の実況と見通し
2020年5月中旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 離岸 離岸 東海沖の黒潮流路の最南位置(※2) 北緯29.5度、東経137.5度付近 北緯30.5度、東経137.5度付近 伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1) 三宅島と八丈島の間 三宅島付近 房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1) 離岸 離岸と接岸を繰り返す 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3) 北緯38度付近(平年より北)(経度は143度付近) - 関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 東海沖の北緯31度、東経137度付近に冷水渦がみられる - 日本海の海流 対馬暖流は、北緯38度、東経134度付近から南南東に流れ、北緯36.5度、東経134.5度付近から東に流れ、若狭湾沖の東経135.5度付近から北北東に流れている - (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図:関東・東海・北陸周辺海域の深さ50mの海流分布図(5月19日)
- 参考図:関東・東海・北陸周辺海域の深さ100mの水温分布図(5月19日)
- 参考図:関東・東海・北陸周辺海域の深さ200mの水温分布図(5月19日)
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。