海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

令和2年7月20日発表
東京管区気象台

診断(2020年7月中旬)

  • 黒潮は大蛇行しています。
  • 関東・東海・北陸周辺海域では、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。
  • 常磐沖から鹿島灘にかけては、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。
  • 黒潮は、潮岬では離岸して流れています。北緯32度、東経135度付近から南東に流れ、北緯29.5度、東経137度付近から北東に流れ、北緯30.5度、東経138度付近から北北西に流れ、北緯32度、東経137.5度付近から北北東に流れ、北緯34度、東経138.5度付近から東に流れ、三宅島付近を通って、東経140度付近から北東に流れ、北緯36.5度、東経143度付近から東に流れています。房総半島では接岸して流れています。
  • 対馬暖流は、若狭湾沖の北緯36.5度、東経136度付近から北北東に流れています。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(7月19日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(7月19日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。関東・東海・北陸周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

関東の東では、平年より日射量が少なかったため、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。また、常磐沖から鹿島灘にかけては、下層の冷水の影響もあり、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。

関東の南東と東海沖では、平年より日射量が少なく、風が強かったため、海面水温が平年より高い海域が縮小し、おおむね平年並になりました。紀伊半島の南では、下層の冷水や黒潮大蛇行の影響もあり、海面水温が平年よりかなり低い海域が引き続きみられます。

北陸周辺海域では、寒気の影響や平年より日射量が少なかったことにより、海面水温が平年より高い海域が縮小し、おおむね平年並になりました。

海面水温の今後の見通し

関東の東の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。

関東の南東の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。

東海沖の海面水温は、向こう1か月、平年より高くなるでしょう。

北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並でしょう。

海流の実況と見通し

2020年7月中旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯29.5度、東経137度付近 北緯31.5度、東経137度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯37度付近(平年並)(経度は144.5度付近)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 東海沖の北緯31度、東経136.5度付近に冷水渦がみられる
日本海の海流 対馬暖流は、若狭湾沖の北緯36.5度、東経136度付近から北北東に流れている

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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