海面水温・海流（関東・東海・北陸周辺海域）

令和3年2月19日 東京管区気象台発表

診断（2021年2月中旬）

  • 黒潮は大蛇行しています。
  • 関東の東では、引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられます。
  • 関東の南東では、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域がみられるようになりました。
  • 東海沖では、引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。一方、北緯33度以南では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。
  • 北陸周辺海域では、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。
  • 黒潮は、潮岬では離岸して流れています。北緯32度、東経136度付近から南東に流れ、北緯30.5度、東経137.5度付近から東に流れ、東経138.5度付近から東北東に流れ、北緯31度、東経139.5度付近から北に流れ、北緯32度付近から北西に流れ、北緯33.5度、東経137.5度付近から北に流れ、北緯34度付近から東に流れ、三宅島付近を通って、東経140度付近から北東に流れ、北緯37.5度、東経143.5度付近から東に流れています。房総半島では接岸して流れています。
  • 対馬暖流は、若狭湾沖の北緯36.5度、東経135.5度付近から北北東に流れ、能登沖の北緯38度、東経136.5度付近から東に流れ、佐渡沖の東経138度付近から北北東に流れています。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図（2月18日）
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図（2月18日）

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。関東・東海・北陸周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

関東の東では、黒潮系暖水の影響により、引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられます。

関東の南東では、平年より風が強かった影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域がみられるようになりました。

東海沖では、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響により、引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。一方、北緯33度以南では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦と平年より風が強かった影響により、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。

北陸周辺海域では、平年より風が強かった影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

関東の東の海面水温は、向こう１か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。

関東の南東の海面水温は、向こう１か月、平年並か高いでしょう。

東海沖の海面水温は、向こう１か月、平年よりかなり高いですが、東海沖南部では平年より低いでしょう。

北陸周辺海域の海面水温は、向こう１か月、平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2021年2月中旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表：関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注）
潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯30.5度、東経138度付近 北緯30.5度、東経137.5度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※3） 北緯38.5度付近（平年より北）（経度は144.5度付近） －
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 熊野灘に暖水域が、東海沖の北緯31.5度、東経138度付近に冷水渦が、それぞれみられる －
日本海の海流 対馬暖流は、若狭湾沖の北緯36.5度、東経135.5度付近から北北東に流れ、能登沖の北緯38度、東経136.5度付近から東に流れ、佐渡沖の東経138度付近から北北東に流れている －

（注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。

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