海面水温・海流（関東・東海・北陸周辺海域）
令和5年1月20日 東京管区気象台発表
診断（2023年1月中旬）
- 黒潮は大蛇行しています。
- 関東の東では、引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。
- 関東の南東では、引き続き海面水温が平年より低い海域がみられます。
- 東海沖では、引き続き海面水温が平年よりかなり低い海域がみられます。一方、伊豆諸島北部から熊野灘にかけてでは、海面水温が平年より高い海域がみられます。
- 北陸周辺海域では、引き続き海面水温が平年より高い海域がみられます。
- 黒潮は、潮岬では離岸して流れています。東海沖の黒潮の最南位置は、北緯30.5度、東経136.5度付近にあり、伊豆諸島付近では三宅島付近を流れています。房総半島では接岸して流れています。
海面水温平年差分布図は平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。内湾域等は、薄い灰色で示しています。
左図は深さ100mの水温分布を示しています。水温は、図の右にあるスケールと同じ色で色分けされています。 右図は深さ50mの海流分布図で、海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示しています。 0.2ノット（1ノット≒0.5m/s、図ではktと表記しています。）以上の流れの向きを矢印で示しています。流速は、図の右にあるスケールを参照してください。
これらの図は速報値で作成しています。関東・東海・北陸周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
海面水温
関東の東では、黒潮系暖水の影響で、引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。
関東の南東では、引き続き海面水温が平年より低い海域がみられます。
東海沖では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響で、引き続き海面水温が平年よりかなり低い海域がみられます。一方、伊豆諸島北部から熊野灘にかけてでは、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響で、海面水温が平年より高い海域がみられます。
北陸周辺海域では、引き続き海面水温が平年より高い海域がみられます。
海面水温の今後の見通し
関東の東の海面水温は、向こう１か月、平年よりかなり高いでしょう。
関東の南東、東海沖の海面水温は、向こう１か月、平年並か平年より低いでしょう。
北陸周辺海域の海面水温は、向こう１か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。
海流の実況と見通し
2023年1月中旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表：関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注） 潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯30.5度、東経136.5度付近 北緯29度、東経137度付近 伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 三宅島付近 三宅島付近 房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 離岸と接岸を繰り返す 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※3） 北緯38.5度付近（平年より北） （経度は東経143.5度付近） － 関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 東海沖の北緯32度、東経137度付近に冷水渦がみられる － （注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図：関東・東海・北陸周辺海域の深さ200mの水温分布図（1月19日）
- 参考図：黒潮域の深さ50mの海流分布図（1月19日）
- 参考図：日本海の深さ50mの海流分布図（1月19日）
- 参考図：日本海の深さ100mの水温分布図（1月19日）
- 参考情報：暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。