全球の海面水温の変動
平成17年10月25日更新
平成17年10月25日更新
- 太平洋では、日本東方からアラスカ湾にかけての北太平洋の広い海域で顕著な正偏差となっています。赤道域は、西部から中部で正偏差、東部で負偏差となっています。
- 大西洋では、50°W、35°N付近の負偏差以外は、北大西洋のほぼ全域で正偏差となっています。10°Nから30°Nにかけての緯度帯と50°N付近の緯度帯で正偏差が顕著になっています。
- インド洋では、赤道域中・東部の正偏差が顕著になっています。
- 顕著な現象とは
- 全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています( 規格化海面水温偏差の全球分布)。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。
- 全球の海面水温の最近の傾向
- 太平洋では、2004/05年冬より、北太平洋中央部で負偏差、北太平洋東部や熱帯域で正偏差、といったパターンがほぼ続いていましたが、負偏差は2005年7月以降縮小し、9月には中央部のほとんど全域が正偏差になりました(月平均海面水温・偏差の全球分布)。なお、北太平洋中央部で負偏差、北太平洋東部や熱帯域で正偏差、といったパターン(PDO指数が正の状態)は、2002年半ば以降、断続的に現われています。
大西洋では、2004/05年冬より、40°N付近の中緯度で負偏差、その高緯度側及び低緯度側で正偏差といったパターンがほぼ続いていましたが、2005年7月以降、40°N付近の負偏差域は見られないか若しくは小さくなっています(月平均海面水温・偏差の全球分布)。