全球の海面水温の変動
平成18年3月15日更新
平成18年3月15日更新
- 太平洋の赤道域では、中部で顕著な負偏差が、西部で顕著な正偏差がみられます。中高緯度では、25°Nの日付変更線付近と、30°Sに沿った日付変更線から90°Wにかけての海域で正偏差が顕著です。一方、40°Nに沿った日本東方から日付変更線にかけての海域では負偏差が顕著となっています。
- 北大西洋では、フロリダ半島付近で負偏差となっているほかは、広く顕著な正偏差になっています。
- インド洋では、マダガスカル島南東で顕著な正偏差となっています。一方、オーストラリア西岸沖では顕著な負偏差となっています。
- 顕著な現象とは
- 全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています( 規格化海面水温偏差の全球分布)。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。
- 全球の海面水温の最近の傾向
- 太平洋では、2004/05年冬〜2005年夏は、北太平洋中央部で負偏差、北太平洋東部や熱帯域で正偏差、といったパターンが継続していました。2005年9月〜11月には一時的に北太平洋中央部が正偏差、北太平洋東部が負偏差となりましたが、2005年12月以降、北太平洋中央部は負偏差、北太平洋東部は正偏差に戻りつつあります。一方、熱帯域は、2005年9月以降、東部より負偏差が拡大しています(月平均海面水温・偏差の全球分布)。
北大西洋では、40°N付近の中緯度で負偏差、その高緯度側及び低緯度側で正偏差といったパターンがほぼ続いていましたが、2005年7月以降、40°N付近の負偏差域は見られないか、もしくは小さくなっています(月平均海面水温・偏差の全球分布)。