全球の海面水温の変動
平成18年5月15日更新
平成18年5月15日更新
- 太平洋赤道域の海面水温は、エクアドル沖に見られる負偏差を除き、ほぼ全域で平年並でした。北太平洋では、中央部で顕著な正偏差が見られる一方で、東部の北米西岸沖や西部の日本近海で顕著な負偏差が見られました。南太平洋では30°S付近の中緯度で顕著な正偏差が見られました。
- 北大西洋では、フロリダ半島の東方沖で負偏差となっている以外は、広く顕著な正偏差になっています。
- インド洋では、マダガスカル島南東の海域で顕著な正偏差となっています。一方、オーストラリア西方で顕著な負偏差となっています。
- 顕著な現象とは
- 全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています( 規格化海面水温偏差の全球分布)。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。
- 全球の海面水温の最近の傾向
- 太平洋では、2004/05年冬〜2005年夏は、北太平洋中央部で負偏差、北太平洋東部や熱帯域で正偏差、といったパターンが継続していましたが、最近はこのパターンが見られなくなっています。熱帯域では、2005年9月以降、東部より拡大してきた負偏差域は縮小する傾向にあり、2006年4月ではごく東部でのみ見られるまでになりました(月平均海面水温・偏差の全球分布)。
北大西洋では、この一年間、低緯度側で正偏差、北米東岸沖で負偏差、高緯度側で正偏差という傾向が持続しています(月平均海面水温・偏差の全球分布)。