全球の海面水温の変動(2006年10月)

平成18年11月15日発表

診断


10月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋では、30°N以北でおおむね正偏差となっています。熱帯域では、中部から東部にかけて正偏差、西部では負偏差といったエルニーニョ現象時に現れるパターンが見られました。
  • 北大西洋では、アメリカ東方と熱帯域の一部を除き、低緯度側と高緯度側、および東部で顕著な正偏差となっています。
  • インド洋の熱帯域では、東部の負偏差と中部の正偏差が顕著になっています。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2006年10月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。

全球の海面水温の最近の傾向
太平洋熱帯域では2005年秋から2006年春まで中部から東部にかけて負偏差、西部で正偏差といったパターンが続いていましたが、2006年9月から中部や東部で顕著な正偏差が見られるようになり、西部では顕著な負偏差が見られるようになってきています。
北大西洋では、2005年春から、低緯度側で正偏差、北米東岸沖で負偏差、高緯度側で正偏差というパターンが持続しています。また、2006年夏から東部の正偏差も顕著になってきています。
インド洋熱帯域では2005年春から東部で正偏差が顕著な状態が続いていましたが、2006年9月から東部で負偏差、中部で正偏差が顕著になってきています。

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