全球の海面水温の変動(2007年6月)

平成19年7月17日発表

診断


6月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域では、東部で顕著な負偏差、西部で顕著な正偏差といったラニーニョ現象時に現れるパターンが見られました。北太平洋では、赤道域の140°E付近から40°N、130°Wにかけて顕著な正偏差が見られました。南太平洋では、赤道域の140°E付近から40°S、110°Wにかけて顕著な正偏差が見られました。チリ沖では顕著な負偏差が見られました。
  • 北大西洋では、カリブ海から35°N、35°Wにかけてとグリーンランド南岸付近で顕著な顕著な正偏差が見られました。一方、北米東岸沖では負偏差が見られました。
  • インド洋では、赤道域およびマダガスカル島付近で顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2007年6月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。

全球の海面水温の最近の傾向
 太平洋赤道域では、2006年9月から2007年1月にかけて、中部から東部で正偏差となるエルニーニョ現象時の特徴が見られていましたが、2007年2月にはこの特徴が解消しました。その後、2007年3月から4月にかけて、東部で負偏差が強まり、5月は西部で正偏差が強まるラニーニャ現象時の特徴が見られるようになりました。
 北大西洋では、2005年春から、アメリカ東岸沖で負偏差、その低緯度側と高緯度側で正偏差というパターンが持続しています。

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