全球の海面水温の変動(2007年7月)

平成19年8月15日発表

診断


7月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域では、東部で顕著な負偏差、ラニーニャ現象時に現れるパターンが見られました。北太平洋では、フィリピン北部から北米西岸にかけて正偏差が見られ、その北側では、日本の東方沖とアラスカ南方沖で負偏差、カムチャツカ半島南東方で顕著な正偏差が見られました。南太平洋では、西部から中部にかけて顕著な正偏差が見られ、東部では顕著な負偏差が見られました。
  • 北大西洋では、カリブ海から35°N、25°Wにかけてとグリーンランド南岸付近で顕著な正偏差が見られました。一方、45°N、30°W付近では顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、赤道域およびマダガスカル島南東方で顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2007年7月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。

全球の海面水温の最近の傾向
 太平洋赤道域では、2006年9月から2007年1月にかけて、中部から東部で正偏差が見られていましたが、2007年2月には解消しました。その後、2007年3月から4月にかけて、東部で負偏差が強まり、5月は西部で正偏差が強まって、ラニーニャ現象時の特徴が見られるようになりました。
 北大西洋では、2005年春から、アメリカ東岸沖で負偏差、その低緯度側と高緯度側で正偏差というパターンが持続していましたが、2007年6月からそのパターンがやや弱まってきています。

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