全球の海面水温の変動(2007年9月)
平成19年10月15日発表
平成19年10月15日発表
- 太平洋赤道域の海面水温は中部から東部にかけて負偏差、西部で正偏差となっており、ラニーニャ現象が続いています。北太平洋では、日本の東と北太平洋中部で正偏差が見られました。一方、アメリカ合衆国西方沖で負偏差が見られました。南太平洋では、赤道域の西部から南太平洋中部にかけて広く正偏差が見られました。一方、南米西岸沖で広く負偏差が見られました。
- 北大西洋では、40°N以北に正偏差が見られました。
- インド洋では、赤道域の65°Eから80°Eで正偏差が見られました。一方、スマトラ島の南で負偏差が見られました。
- 顕著な現象とは
- 全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。
- 全球の海面水温の最近の傾向
- 太平洋赤道域では、2006年9月から2007年1月にかけて、中部から東部で正偏差が見られていましたが、2007年2月には解消しました。その後、2007年春以降、東部で負偏差、西部で正偏差が継続し、9月には中部で負偏差が顕著となりました。このように春以降、ラニーニャ現象時のパターンが明瞭になってきています。
北大西洋では、2005年春から、アメリカ東岸沖で負偏差、その低緯度側と高緯度側で正偏差というパターンが持続していましたが、2007年夏には、そのパターンが弱まってきています。