全球の海面水温の変動(2008年3月)

平成20年4月15日発表

診断


3月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は中部で負偏差が見られ、ラニーニャ現象が続いています。北太平洋では、熱帯域西部から北アメリカ西方沖の35ºN145ºW付近にかけて正偏差が広く見られました。一方、アリューシャン列島付近と北アメリカ西岸付近で負偏差が見られました。南太平洋では、中部の30ºS150ºW付近とチリ西方沖で正偏差が見られました。
  • 北大西洋では、30ºW以東と北アメリカ東岸付近で正偏差が見られました。
  • インド洋では、マダガスカル島周辺、アラビア海、スマトラ島周辺と20ºS90ºE付近で負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2008年3月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。

全球の海面水温の最近の傾向
 太平洋赤道域では、2007年春に発生したラニーニャ現象が持続しており、冬に中部および東部の負偏差がピークを迎えた後、弱まっています。また、昨年秋以降持続して見られている、太平洋赤道域中部から東部にかけての負偏差と、赤道域西部から北東および南東にのびる正偏差は、ラニーニャ現象時によく見られる偏差パターンです。
 北大西洋では、2005年春から、アメリカ東岸沖で負偏差、その低緯度側と高緯度側で正偏差というパターンが持続していましたが、2007年夏以降、そのパターンが明瞭ではありません。2007年9月以降では概ね30ºN以北で顕著な正偏差が続いています。

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