全球の海面水温の変動(2008年5月)
平成20年6月16日発表
平成20年6月16日発表
- 太平洋赤道域の海面水温は負偏差域が縮小し、ラニーニャ現象は終息したとみられます。北太平洋では、20ºN、140ºEから40ºN、140ºWにかけて正偏差が見られました。一方、南シナ海から日本の南にかけてと北アメリカ西岸付近で負偏差が見られました。南太平洋では、チリ沖で正偏差が見られました。
- 北大西洋東部と大西洋熱帯域では正偏差が見られました。
- インド洋熱帯域は概ね平年並でした。
- 顕著な現象とは
- 全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。
- 全球の海面水温の最近の傾向
- 太平洋赤道域では、2007年春に発生したラニーニャ現象は冬に中部および東部の負偏差がピークを迎えた後、弱まり、2008年春に終息したとみられます。一方、ラニーニャ現象時によく見られる太平洋赤道域中部から東部にかけての負偏差と赤道域西部から北東および南東にのびる正偏差のパターンは、2007年秋以降から現在まで持続しています。
北大西洋では、2007年12月以降に東部で顕著な正偏差が続いています。