全球の海面水温の変動(2008年7月)
平成20年8月15日発表
平成20年8月15日発表
- 太平洋赤道域の海面水温は中部で負偏差域が前月よりも狭まり、東部で正偏差が強まりました。北太平洋では、熱帯域の日付変更線付近から東北東に延びる負偏差が、その北側で正偏差が見られました。一方、45ºNの日付変更線付近からオホーツク海にかけて、正偏差が見られました。南太平洋では、30ºS、150ºWを中心に正偏差が見られました。
- 北大西洋の英国西方を除く30ºN以北と大西洋熱帯域では、正偏差が見られました。
- インド洋ではスマトラ島付近、ベンガル湾、マダガスカル島付近で負偏差が見られました。また、インド洋中央部の赤道の南側には正偏差が見られました。
- 顕著な現象とは
- 全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
- 年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。
- 全球の海面水温の最近の傾向
- 太平洋赤道域では、2007年春に発生したラニーニャ現象は冬にピークを迎えた後、弱まり、2008年春に終息しました。また、2007年春のラニーニャ現象の発生とともに見られた、太平洋赤道域中部から東部にかけての負偏差と赤道域西部から北東および南東に延びる正偏差のパターンは、弱まってきています。
北大西洋では、2007年12月以降に東部で顕著な正偏差が続いています。