全球の海面水温の変動(2008年8月)

平成20年9月16日発表

診断


8月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は中部で負偏差、東部で正偏差が見られました。北太平洋では、熱帯域中部からメキシコの西方沖にかけてとアラスカ湾からその南方沖にかけて顕著な負偏差が見られました。また熱帯域西部、日本の南、オホーツク海からアリューシャン列島の南方にかけてと米国の西方沖で顕著な正偏差が見られました。南太平洋ではニューギニア島付近から40ºS125ºW付近で顕著な正偏差が見られました。
  • 大西洋の英国西方を除く30ºN以北と熱帯域では、顕著な正偏差が見られました。
  • インド洋ではジャワ島付近で顕著な負偏差が見られました。一方、インド南方沖からオーストラリアの西方沖にかけて顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2008年8月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。

全球の海面水温の最近の傾向
 太平洋赤道域では、2007年春に発生したラニーニャ現象は冬にピークを迎えた後、弱まり、2008年春に終息しました。また、ラニーニャ現象の発生期間中持続していた太平洋赤道域西部から北東および南東に延びる正偏差のパターンは、弱まってきています。
 北大西洋では、2007年12月以降に東部で顕著な正偏差が続いています。

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