全球の海面水温の変動(2009年4月)

平成21年5月15日発表

診断


4月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は中部から東部で平年並でした。西部では正偏差が見られました。北太平洋では、フィリピンの東と25ºN160ºEから40ºN140ºWにかけて顕著な正偏差が見られました。一方、ハワイ諸島付近から北米西岸付近にかけて顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、30ºS145ºW付近と南米西岸付近で顕著な正偏差が見られました。
  • 北大西洋では、ギニア西岸付近で顕著な負偏差が、25ºN50ºWから英国付近にかけて顕著な正偏差がそれぞれ見られました。
  • インド洋では、マダガスカルの東から30ºS85ºEにかけて顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2009年4月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向
 太平洋赤道域では、2007年春に発生したラニーニャ現象は、2008年春に終息しました。2009年冬に再び太平洋赤道域の中部から東部にかけて負偏差が強まりましたが、4月には解消しています。2007年秋から持続していたラニーニャ現象発生時に見られる太平洋赤道域西部から北東および南東に延びる正偏差のパターンは、4月に弱まっています。
 大西洋では2008年5月以降、30ºN以北の広い範囲で顕著な正偏差が続いています。
 インド洋では2008年10月以降、南西部で顕著な正偏差が持続しています。

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ 空間パターンを対象にしています。

このページのトップへ