全球の海面水温の変動(2009年5月)

平成21年6月15日発表

診断


5月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、中部で平年並でした。西部では顕著な正偏差が見られました。北太平洋では、40ºN付近の160ºEから140ºWにかけて顕著な正偏差が見られました。一方、南シナ海からフィリピンの北東沖にかけて顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、南米西岸付近とニュージーランド東方沖で顕著な正偏差が見られました。
  • 大西洋では、赤道域と35ºN付近に顕著な正偏差が、50ºN付近に顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、マダガスカルの東から30ºS110ºEにかけてと赤道域で顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2009年5月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向
 太平洋赤道域では、2008/2009年冬に中部から東部にかけて負偏差が強まりましたが、4月には解消し、5月には正偏差になっています。太平洋赤道域西部から北東および南東へのびる正偏差は2007年秋から持続しています。
 大西洋では2008年5月以降、30ºN以北の広い範囲での顕著な正偏差が続いていましたが、5月には弱まっています。2009年2月から見られたギニア西岸の負偏差は、5月には弱まっています。赤道域では正偏差が強まっています。
 インド洋では2008年10月以降、南西部で顕著な正偏差が持続しています。

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ 空間パターンを対象にしています。

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