全球の海面水温の変動(2009年6月)
平成21年7月15日発表
平成21年7月15日発表
- 太平洋赤道域の海面水温は全域で正偏差でした。115ºWから85ºWでは1℃以上の正偏差が見られました。北太平洋では、10ºN、140ºEからハワイ諸島にかけてと45ºN付近の日付変更線から北アメリカ西岸付近にかけて顕著な正偏差が見られました。一方、フィリピンの北から日本周辺にかけて顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、南アメリカ西岸付近と40ºS、155ºW付近で顕著な正偏差が見られました。
- 大西洋の海面水温は、赤道の南、北アメリカ東岸付近と西サハラ沿岸付近から英国の北にかけて顕著な正偏差が見られました。
- インド洋の海面水温は、インドネシア付近とアフリカ東岸付近からオーストラリア西方沖にかけて顕著な正偏差が見られました。
- 全球の海面水温の最近の傾向
- 太平洋赤道域では、2008/2009年冬に中部から東部にかけて負偏差が強まりましたが、4月には解消し、5月以降には正偏差になっています。
大西洋では2008年5月以降、30ºN以北の広い範囲での顕著な正偏差が続いていましたが、2009年5月以降には負偏差域が見られるようになっています。2009年2月から見られたギニア西岸の負偏差は、6月には解消しています。一方、2008年12月から赤道の南では正偏差が持続しています。
インド洋では2008年10月以降、南西部で顕著な正偏差が持続しています。
全球平均海面水温偏差は、2009年春以降、上昇し、2009年6月には、97/98エルニーニョ現象に伴って高偏差となった1998年以来の高い値となっています。
- 顕著な現象とは
- 全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ 空間パターンを対象にしています。